ビールの主戦場は家庭用にシフト 「コト消費」「健康」がキーワード
「年末にかけて生産ラインを増やす方向で検討している」とはアサヒグループホールディングス関係者。アサヒビールでは4月に発売した「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」が出荷停止になるほどの売れ行きだ。
アサヒグループホールディングス・小路明善社長兼CEO「世界第2位のビールメーカーを目指す!」
4月8日からコンビニエンスストアで先行発売したが、翌日には休売。20日からもスーパーなどで販売を始めたが、こちらも翌日には休売となった。同商品は蓋を開けると自然に発泡する特殊な缶容器が特長だが、その缶容器の供給が追いつかず、やむを得ず出荷を一時停止した。
「家でもお店の生ビールの味が味わえると共に、フルオープンの蓋を開けると泡が自然発泡することがインスタ映えにつながっている」と前出の関係者。単に飲むだけではない「コト消費」の部分が人気を博しており、年間計画の400万ケースの売り上げに弾みがついている。
もう1つの流れが健康志向だ。「発売前の商談から好調で、年間販売計画の約3割にあたる74万ケースを発売週末までに出荷見込み」と強調するのはサントリーホールビール社長の西田英一郎だ。
同社は4月13日から「糖質ゼロ」のビール「パーフェクトサントリービール」を投入。ビールは糖質を含むのが当たり前だが、5年をかけた技術革新で糖質ゼロと味の改良が進んだ。
「糖質ゼロ」を謳うビールはキリンビールが昨年10月に発売した国内初の糖質ゼロビール「一番搾り 糖質ゼロ」しかなかった。販売は堅調で発売から半年で300万ケースを売り上げており、健康というカテゴリーで先行者利益を享受している。そこで同カテゴリーにサントリーが殴り込みをかけた形となる。
依然として飲食店などの業務用の回復が見通せない中、ビール各社の注力ポイントは家庭用にシフト。ビール会社の”食卓争奪戦”はより一層過熱していきそうだ。
アサヒGHD・小路明善社長兼CEO「30年後の社会を予測し、社会の変化に対応した事業構成を」
