【戸塚啓コラム】コロナ禍だからこそ考えたい、A代表と五輪代表の合同合宿
これでもう何度目だろうか。
3月25日に予定されていたW杯アジア2次予選のミャンマー戦が、6月に延期されることが発表された。ミャンマー側が開催延期をアジアサッカー連盟に求め、承認されたという。
ミャンマーでは軍事クーデターが起きている。代表チームを派遣するどころではない、と考えられる。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けて、日本では外国人の入国に制限がかかっている。国内外で数多くの国際大会が、延期や中止に追い込まれてもいる。W杯予選も例外ではないのだ。
それにしても、スケジュールの繰り越しも限界が近づいている。このままでは当初予定のホーム&アウェイでは難しく、昨年のACLのような集中開催が現実味を帯びていく。
3月のW杯2次予選に話を戻そう。
ミャンマーの来日だけではなく、日本代表の編成も不透明だ。
昨年11月以来の活動になる。森保一監督の立場になれば、考え得るベストメンバーを編成したいはずだ。しかし、ヨーロッパから選手を呼び戻すのは、隔離期間を念頭に置くとほぼ不可能である。
30日のモンゴル戦は、現時点で中止となっていない。だとすれば、25日には代替の試合を組みたいところだ。さらに言えば、26日と29日に予定されているU―24日本代表のテストマッチも、対戦相手が決まっていない。
現実的な対応として考えられるのは、国内組のみでトレーニンキャンプを開催し、30日に備えるということだろう。J1は2月末に開幕し、ルヴァンカップも3月早々にスタートする。3月25日までにリーグ、カップを合わせて公式戦7試合が消化されている。モンゴル戦へ向けた試合勘には、問題がなさそうだ。
25日にテストマッチができず、U―24日本代表も対戦相手が決まらない場合は、U―24日本代表と日本代表の合同合宿はどうだろう。トレーニングや紅白戦も一緒に行なう。
兼任監督だからこそできるもので、日本代表のコンセプトを五輪世代に落とし込む機会と考えれば、意味のある時間になる。日本代表が国内組で編成されるとしても、五輪世代にとっては刺激になる。全体の底上げへつなげる機会とするのだ。
ふたつのチームの合同合宿とするのは、東京五輪を見据えたものでもある。オーバーエイジの融合だ。
フリーハンドでオーバーエイジを選べるなら、真っ先に候補に上がるのは海外組だ。そのなかでも、遠藤航は外せない。所属するシュツットガルトでのパフォーマンスは出色で、16年のリオ五輪ではキャプテンを務めた。ボランチを中心に複数のポジションができる特性も、登録人数が18人の五輪では心強い。
アタッカーには大迫勇也か、南野拓実か、あるいは鈴木武蔵か鈴木優磨か。それとも、U−24世代だけで臨むのか。
国内にも候補者はいる。たとえば、ポルティモネンセから清水エスパルスへ復帰した権田修一はそのひとりだろう。
12年のロンドン五輪で正GKを務め、14年のブラジルW杯でメンバー入りし、、森保監督就任後は19年のアジアカップでレギュラーとして起用された。清水で定位置をつかむことが大前提となるが、実績はオーバーエイジに十分である。
こうした選手たちとU―24世代をあらかじめ融合させておくことで、本大会への準備を進めておくのである。
ゲストも呼びたい。昨秋に行なわれたU−19日本代表の候補合宿に、内田篤人さんがロールモデルコーチとして参加していた。U―20W杯、五輪、W杯と国際大会を駆けあがり、ドイツ・ブンデスリーガで活躍した彼は、若年層の選手にとって文字どおり「お手本」となる。
U−19日本代表だけでなく五輪世代と日本代表にとっても、内田さんは素晴らしい模範だ。昨シーズン限りで引退した中村憲剛さんや佐藤寿人さんも同様で、彼らに臨時コーチをしてもらったり、講演をしてもらったりするのはどうだろうか。講演はオンラインでもいい。
私たちはまだ当分の間、新型コロナウイルスに翻弄される。予定を書きかえる場面はなお続くと考えれば、コロナ禍でもできることを柔軟かつ多様に作り上げていくべきだと思うのだ。
3月25日に予定されていたW杯アジア2次予選のミャンマー戦が、6月に延期されることが発表された。ミャンマー側が開催延期をアジアサッカー連盟に求め、承認されたという。
ミャンマーでは軍事クーデターが起きている。代表チームを派遣するどころではない、と考えられる。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けて、日本では外国人の入国に制限がかかっている。国内外で数多くの国際大会が、延期や中止に追い込まれてもいる。W杯予選も例外ではないのだ。
3月のW杯2次予選に話を戻そう。
ミャンマーの来日だけではなく、日本代表の編成も不透明だ。
昨年11月以来の活動になる。森保一監督の立場になれば、考え得るベストメンバーを編成したいはずだ。しかし、ヨーロッパから選手を呼び戻すのは、隔離期間を念頭に置くとほぼ不可能である。
30日のモンゴル戦は、現時点で中止となっていない。だとすれば、25日には代替の試合を組みたいところだ。さらに言えば、26日と29日に予定されているU―24日本代表のテストマッチも、対戦相手が決まっていない。
現実的な対応として考えられるのは、国内組のみでトレーニンキャンプを開催し、30日に備えるということだろう。J1は2月末に開幕し、ルヴァンカップも3月早々にスタートする。3月25日までにリーグ、カップを合わせて公式戦7試合が消化されている。モンゴル戦へ向けた試合勘には、問題がなさそうだ。
25日にテストマッチができず、U―24日本代表も対戦相手が決まらない場合は、U―24日本代表と日本代表の合同合宿はどうだろう。トレーニングや紅白戦も一緒に行なう。
兼任監督だからこそできるもので、日本代表のコンセプトを五輪世代に落とし込む機会と考えれば、意味のある時間になる。日本代表が国内組で編成されるとしても、五輪世代にとっては刺激になる。全体の底上げへつなげる機会とするのだ。
ふたつのチームの合同合宿とするのは、東京五輪を見据えたものでもある。オーバーエイジの融合だ。
フリーハンドでオーバーエイジを選べるなら、真っ先に候補に上がるのは海外組だ。そのなかでも、遠藤航は外せない。所属するシュツットガルトでのパフォーマンスは出色で、16年のリオ五輪ではキャプテンを務めた。ボランチを中心に複数のポジションができる特性も、登録人数が18人の五輪では心強い。
アタッカーには大迫勇也か、南野拓実か、あるいは鈴木武蔵か鈴木優磨か。それとも、U−24世代だけで臨むのか。
国内にも候補者はいる。たとえば、ポルティモネンセから清水エスパルスへ復帰した権田修一はそのひとりだろう。
12年のロンドン五輪で正GKを務め、14年のブラジルW杯でメンバー入りし、、森保監督就任後は19年のアジアカップでレギュラーとして起用された。清水で定位置をつかむことが大前提となるが、実績はオーバーエイジに十分である。
こうした選手たちとU―24世代をあらかじめ融合させておくことで、本大会への準備を進めておくのである。
ゲストも呼びたい。昨秋に行なわれたU−19日本代表の候補合宿に、内田篤人さんがロールモデルコーチとして参加していた。U―20W杯、五輪、W杯と国際大会を駆けあがり、ドイツ・ブンデスリーガで活躍した彼は、若年層の選手にとって文字どおり「お手本」となる。
U−19日本代表だけでなく五輪世代と日本代表にとっても、内田さんは素晴らしい模範だ。昨シーズン限りで引退した中村憲剛さんや佐藤寿人さんも同様で、彼らに臨時コーチをしてもらったり、講演をしてもらったりするのはどうだろうか。講演はオンラインでもいい。
私たちはまだ当分の間、新型コロナウイルスに翻弄される。予定を書きかえる場面はなお続くと考えれば、コロナ禍でもできることを柔軟かつ多様に作り上げていくべきだと思うのだ。
1968年生まれ。'91年から'98年まで『サッカーダイジェスト』編集部に所属。'98年秋よりフリーに。2000年3月より、日本代表の国際Aマッチを連続して取材している