米大統領選、どちらが勝っても円高か? 外為オンライン佐藤正和氏
支持率では劣勢のトランプ現大統領が4年前同様に逆転勝利するのか、あるいは予想通りにバイデン候補が勝利するのか・・・。こればかりは蓋を開けてみないと分かりません。問題は、その結果がいつごろはっきりするのか、ということがポイントになると考えられます。本来であれば、日本時間で11月4日の正午ぐらいには大勢がハッキリすることが多いのですが、今回は郵便投票問題やトランプ大統領が負けを認めない可能性などが指摘されており、その時期ははっきりしません。
ただ、大統領選挙にとって最も重要な激戦区に「フロリダ州」がありますが、これをどちらが取るかで大体の状況がわかるのではないか、といわれています。とりわけ、これまでトランプ優勢が指摘されていた数多くの州でバイデン優勢が伝えられており、仮にトランプが激戦区の重要な拠点であるフロリダ州を落とすようなことがあれば、再選の可能性は極めて低くなるだろうと予想されています。
そのキャスティングボードを握ると言われるフロリダ州ですが、これまで常に選挙の開票でトラブって来たものの、今回はスピーディーな投票集計への改革プログラムを実施しており、きちんと機能すれば日本時間の11月4日の昼過ぎには、フロリダ州の結果が判明するのではないかと報道されています。この時点でバイデン勝利が濃厚になれば、バイデン勝利のシナリオで金融市場は動くものと予想されます。
大統領選の結果は誰にもわかりませんが、個人的には「バイデン勝利、上院は共和党が多数」というシナリオではないかと考えています。「バイデン勝利、上院、下院とも民主党が多数」といった結果になると、こちらは金融マーケットがどんな動きになるのか、判断は難しいところです。
――選挙の結果によって為替市場はどう動くのでしょうか?
トランプ勝利のシナリオでは、「ドル安円高、株高」が考えられます。もともとトランプ氏はドル安を望んでいるためにドルが売られることが予想されます。トランプ大統領が再選を果たし、35議席が改正される上院選挙で共和党が多数派をとれば、これまでと同じようにドル高円安、株高が続くことになると考えられます。
一方のバイデン勝利のシナリオですが、勝利が決まった直後は「ドル安円高、株高」に振れると思いますが、中期長期的に考えればやはり「ドル高円安」に振れていくと考えています。現在0.78%前後の長期金利は、大規模な追加の景気対策を主張する民主党のバイデン勝利によって、1%程度の水準まで上昇することが予想され、そうなればドル高円安に触れていくものと考えられます。ただ、株式市場はトランプ、バイデンどちらが勝っても上昇するとみる人が多いと思います。
また、どちらが勝利するにしても上院、下院がどういう構成になるのかによって、そのシナリオも大きく変わっていく可能性があります。現在、合意できずに宙に浮いているコロナへの景気刺激策も、選挙後には合意することになると思います。その場合、バイデンが勝利し、下院も民主党が多数をとれば、大規模な財政出動が必要になるため、今度は財政赤字問題がクローズアップされてくるかもしれません。大統領選挙や議会選挙の結果次第では、米国の会計年度が新年度を迎えているため、予算の成立が難しくなって、12月以降、政府機関が閉鎖されるような事態があるかもしれません。
