by Richard Leeming

飛まつによる感染が起こっている新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ですが、ふん便を介した感染も疑われています。このことから、オナラを介した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大が疑われることは自然な流れといえますが、研究者らがこの可能性について論じています。

Can the coronavirus be spread through farts?

https://nypost.com/2020/04/20/can-the-coronavirus-be-spread-through-farts/



2012年の研究では、トイレのふん便から発生するエアロゾルが感染症の伝染に寄与する可能性があることが示されており、オーストラリアで救急医として働くアンディ・タグ氏も、人の腸内活動を通じてSARS-CoV-2のエアロゾルが発生する可能性を認めています。またSARS-CoV-2に関しても、アメリカ・オレゴン州の保健当局が性行為中にふん便を介した感染が起こる可能性があるとして警告を行っています。



なお、COVID-19の感染拡大を防ぎつつ性的交渉を行う方法としては、オンラインで相手とやり取りするバーチャルセックスなどが推奨されています。

バーチャルセックスで新型コロナウイルスの感染を防ぐことをアルゼンチン政府が推奨 - GIGAZINE



オナラによるCOVID-19の感染を直接的に示す研究結果は記事作成時点では存在しませんが、マウント・シナイ・アイカーン医科大学の疫学者であるアーロン・E・グラット博士は、「研究によって、COVID-19患者の多くが胃腸症状を持つことが示されています」と前置きしつつ、「腸内ガスが単体で感染のリスクになりえるというデータはありません。服を着た人において、オナラが重要な感染ルートになるとは考えにくいといえます」とコメントしています。

オーストラリアの医師でありジャーナリストでもあるノーマン・スワン氏もこれに同意しており、「幸運なことに、私たちは常にオナラをカバーするための『マスク』を着用しています」と述べて、下着や衣服がエアロゾルの拡散を防いでいることを説明しました。またスワン氏は社会的距離という側面から「人の近くでオナラをしないこと」「むき出しのお尻でオナラをしないこと」をアドバイスしています。