スマホは「残価設定ローン」で2年ごとに新機種に買いかえる時代? au「かえトク」の仕組みと損をしない使い方とは

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携帯電話の買い方として各社が導入している「買い換えプログラム」。
その多くは
・分割払いで購入
・指定期間、同一機種を使った後に返却
こうした条件で、残った分割払いが免除される仕組みになっています。

こうした「買い換えプログラム」は登場した当初から、
「自動車の残価設定ローンのようだ」
こう言われてきました。

そんな中2月に、auが正式に残価設定ローンとして、
「かえトクプログラム」
この名称で買い換えプログラムを発表しました。

NTTドコモやSoftBankもauに追従するかはわかりませんが、
「残価設定ローンのようだ」と言われてきた現在の「買い換えプログラム」が、正式に残価設定ローンとして登場したことで、新しい買い方として定着するかもしれません。

そこで今回は、
・auの「かえトクプログラム」の仕組み
・「残価設定ローン」のおトクな部分と、おトクでない部分
これらを確認していきます。


○毎月の支払いと自己負担額が減るかもしれない?



まずはauのかえトクプログラムがどんなものかを改めて確認していきます。

かえトクプログラムを適用するには
・設定された残価を除いた本体代を24回払いにする
・残価の精算(免除)時に機種の返却を行う
・精算(免除)は次の機種をauで購入すること
が条件となります。

また、機種毎の残価は「au側で決める」ため、例えば
・12万円の機種の半額(6万円)を残価にしたい
・2年間、月々2,000円ずつの支払いにして残りを残価にしたい
といった、自分で残価や月の支払いを決めるといったことはできません。




「かえトクプログラム」が始まる以前に実施されていた「アップグレードプログラム」らは、例えば36回払いであれば
・24回支払う
・残り12回を免除する
こういう仕組みでした。
つまり、2年間使えば機種代金の1/3が免除される仕組みだったのです。

新たに始まったかえトクプログラムでは、残価はau側で設定しています。
機種代金に対して残価として設定される金額は、
「機種代金の33%〜41%」
こうなっています。

36回払いのうち、12回の免除は約33%になるため、
もし残価の設定額が33%であれば、従来のアップグレードプログラムと大きな差はありません。

しかし残価が33%よりも大きく設定されている機種であれば、機種代金を36回で等分にしたときよりも、毎月の支払い額は減ります。

逆にもし、残価の設定率が本体代金の33%を下回る場合。
これは機種代金の1/3以下となるため、従来の買い換えプログラムと比較してお得感はありません。

もしauのかえトクプログラムをおトクに利用しようとした場合、
注目すべきは毎月の支払い額や本体の総額以上に、
「残価設定」
これが機種代金の何%になっているかが、重要ということになります。


○今までと違う「2年後」の支払い
これまでは
・36回払いで購入
・24回以上分割代金を支払う
・残りの12回は分割して払い続けるか、本体を返却して残金を免除してもらう
こうした対応でした。

一方、残価設定ローンでは、
24回の支払いを終えた時点で残るのは「まとまった残価」になる点が異なります。

au「かえトクプログラム」では、機種の返却がなければ自動的に「残価は24回払い」となります。

本体代金の1/3ほどを24回で支払っていくので、
最初の2年間よりも毎月の機種代の支払い額は小さくなります。
つまり同じ機種を継続して使い続ける場合は、3年目の料金は前年より安くなります。

また、機種を返却して
・残価免除もしない
・分割もしない
この場合は「一括で払う」こともできます。

しかし従来の「アップグレードプログラム」でも、今回の「かえトクプログラム」でも、機種を返却して免除される額は決まっています。
キッチリ2年利用し返却・残価(残債)の免除を行ってもらい、次の機種に買い換える人でなければおトクにならないのは変わりありません。

現在、多くのメーカーから様々なブランド、シリーズで機種が発売されていますが、その多くは「毎年、決まった時期に後継モデルを発売する」というサイクルが定着しています。

残価設定ローンなどの買い換えプログラムの仕組みは
「機種代金の残りを気にせず、最新機種に早く買い換えできる」
これがセールスポイントになっています。

したがって、残価設定ローンを有効に利用する最もオススメな方法は、
「2年毎に、買い換えプログラムを利用して、最新機種に買い換える」
こうした利用方法だと覚えておくといいでしょう。


執筆 迎 悟