ホンダ・ヴェゼル(画像: 本田技研工業の発表資料より)

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 ホンダは9日、同社の「ヴェゼル」が、2019年暦年(2019年1月〜12月)のSUV販売台数において、第1位を記録したと明かした。一方で今後は、SUV市場における新たな人気ライバル車種の到来で、トップ争いは激化しそうだ。

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■ヴェゼルが3年ぶりのSUVナンバーワンに返り咲き

 ヴェゼルは、近年多くのドライバーの関心を引くコンパクトSUVの1車種として、2013年12月20日に日本で発売された。当時のホンダにおける人気車種であった3代目フィットをベースにしており、SUVらしからぬコントロールのしやすさという特徴がある。

 クーペのような洗練されたビジュアルや走行性能を持ちながら、居住空間にも優れており、使い勝手のよさを評価するユーザーも多かった。発売当初からヒットしたヴェゼルは、2014〜16年にかけて3年連続でSUV部門でも年間売上台数1位を記録。昨年は3年ぶりの返り咲きとなっている。

 2019年11月28日には、ヴェゼルに最上級グレード「Modulo X」が追加され、スポーツカーのような攻撃的な走りに注目が集まっている。今後のヴェゼルの動向が気になるところだ。

■今後のSUV市場はライバル続出で競争激化か

 2020年はヴェゼルを取り巻くライバルが充実し、激しいトップ争いが予想される。ヴェゼルと同じコンパクトSUVでは、トヨタ自動車から2017〜18年と2年連続でSUV年間販売台数1位を獲得している「C-HR」の反撃に要注目だ。同じトヨタからは、昨年11月の発売当初から話題となっている「ライズ」も見逃せない。マツダ「CX-3」など他メーカー車の動向も気になるところだ。

 昨今のコンパクトSUVの人気高まりを受け、他メーカーの反撃に注目する人も多くいることだろう。2020年には、日産自動車のコンパクトSUV「ジューク」の後継車種である「キックス」が登場するという情報もあり、SUV市場は今後も大いに盛り上がりそうだ。

 コンパクト系以外でも、2019年に復活を果たしたRAV4のような、SUVらしいダイナミックな走行性能と実用性を両立させた車の動向にも注目が集まりそうだ。東京オリンピックが行われる記念すべき年に、SUV界でも激しい「金メダル」争いが予想される。