東京・東久留米市の住宅で住人の会社員、二岡一浩さん(55)が殺害された事件で、警視庁田無署は12月2日、強盗殺人容疑で二岡さんの内縁の妻の次男で無職、三ツ本寛己容疑者(28)を逮捕した。(以下は「週刊文春」2019年11月28日号より転載)

【写真】強盗殺人容疑で逮捕された三ツ本寛己容疑者(28)

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 2階寝室のベッドの上で二岡一浩さんは、上半身を真っ赤な血で染め、仰向けで絶命していた。身体には執拗に刃物を突き立てられた痕。天井にまで散った血の飛沫が、殺意の激しさを物語っていた――。

自宅に1人でいる時を狙い澄ましたかのように

「死因は心臓及び大動脈損傷による失血死。致命傷と思われる刺創は心臓を貫通し、背中に達していた。傷は首や胸、腹を中心に約70カ所。刃こぼれした様子はなく、凶器は殺傷能力の高い頑丈な両刃の刃物とみられている」(捜査関係者)

 現場は、東京都東久留米市の住宅地に建つ築5年の一軒家。派遣社員の二岡さんと内縁関係にあるA子さんが、単独名義でローンで購入した2階建ての物件だ。看護関係の仕事に就くA子さんは50歳過ぎ。成人した3人の連れ子がおり、現場の戸建てには二岡さん、A子さんと末っ子の長女の3人が暮らしていた。

「A子さんは夫と20年ほど前に別れており、二岡さんとは籍を入れていないものの、10年以上の内縁関係にあった」(同前)

 惨劇は、11月7日木曜日の深夜から未明にかけて発生した。

「A子さんと長女は、11月2日から9日の日程でイタリア旅行中。出発時は二岡さんが成田空港まで2人を送っている。以後、自宅には二岡さんしかおらず、そこを狙い澄ましたかのように事件が起きています」(社会部記者)

 二岡さんは深夜0時頃、旅行を楽しむA子さんとLINEでやりとりをしている。だが8日午前、「出勤して来ない」と二岡さんの職場から連絡を受け、A子さんが近くに住む次男に「様子を見てきて欲しい」と依頼。事件が発覚した。

「1階リビングの窓が“焼き切り”と呼ばれる、熱を加えてガラスを破る手口で割られており、そこから開錠して侵入したとみられています。中は物色された形跡があり、キッチンや風呂場以外の部屋がことごとく荒らされていた」(同前)


犯行現場の家(上)と周辺を調べる捜査員

本ボシは近しい人間関係の中にいる

 8日午前2時頃、新聞配達員が現場近隣を回っているが、異変には気づかなかったという。

「二岡さんの財布は手付かずのまま残っており、残忍な殺害方法からも、物取りに偽装した“怨恨”による事件ではないかと見られています」(同前)

 二岡さんは立川市の会社に勤める派遣のシステムエンジニア。勤務態度は真面目で、目立ったトラブルもなかったという。

 A子さんの知人が語る。

「A子さんは戸建てに引っ越す前、10年ほど西東京市の都営住宅に住んでいました。母子家庭で、子供3人と高齢の母親の5人家族。実は長男が荒れて大変な時期もありました。内縁の方は背の高いスマートな男性で、よくバイクに乗ってA子さんの家に来ていましたよ。泊まっていくこともあったし、休日にはA子さん一家と買い物に出かけていました。誰かに恨まれるような人には見えませんでしたが……」

 前出の捜査関係者の話。

「“流し”の事件とは考え難い。本ボシは近しい人間関係の中にいるとみて捜査を進めている」

 二岡さんに凶刃を振りかざし、強盗の偽装工作までしたとされる凶悪犯。逃げおおせるはずもない。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2019年11月28日号)