岡山・倉敷の美観地区にある黒板がツイッター上でちょっとした話題になっている。なんでも証券会社の近くにあり、市況が手書きで書かれているという。

それがこちらだ。


Sakazaki Motohiko 坂粼基彦(@Tokyo_Seoul)さんのツイートより

画像は2016年のものだが、令和に突入した19年8月現在もずっと書かれている。この粋な取り組みに、ツイッターでは「すごい」「応援したくなります」といったコメントが寄せられている。

意外な事実が明らかに

この黒板は倉敷美観地区にある。繰り返しになるが、デジタルサイネージなどではなく、黒板に手書きしている。

倉敷川沿いにあり、観光客も多く目にするのか。以前から、黒板に心動かされた人々の投稿が少しずつ寄せられていた。

ツイッター上では、

「市況の内容も素晴らしい」
「すごいです...毎日拝見したいです...」
「字が綺麗」

などのコメントが寄せられている。

実際にこの証券会社を使っていなくても、観光で見るだけでも心奪われてしまう。

調べてみると、この黒板を設置しているのは大山日ノ丸証券倉敷支店との情報があった。

そこでJタウンネット編集部は2019年8月8日、店舗の担当者に話を聞いた。

すると、意外なことに黒板は大山日ノ丸証券倉敷支店が担当しているものではないという。では、誰が書いているのだろうか。

「黒板は北田さんという個人の方が書いていらっしゃいます」

詳しく話を聞くと、13年1月に大山日ノ丸証券と北田証券が経営統合。事業を譲り受けた大山日ノ丸証券は新たに倉敷支店を開設した。

黒板があるのはかつての北田証券の本店で、大山日ノ丸証券は使っていない。


北田証券旧本店 (C)Google

顧客、従業員を北田証券から引き継いだ一方で、全く予想もしていない事態が起きた。それが本店前にあった黒板の扱いだった。

「地域の方からのなくしたくないとの声が大きかった。しかし、誰が書くのだろうと...」

労力が必要な手書きで作成する上に、内容も考えなければならない。さらには達筆であった方が良い――引き継ぐにはあまりにハードルが高いものだ。

「そういう声もあったので(編注:北田証券の)社長だった北田さん個人が今でも書かれています」

まさかの北田さん個人が書くことに。クオリティを維持するには最善の人物ともいえる。

黒板の内容が更新される頻度は調べてみると、毎日ではないものの、ある程度の期間が経つと最新のものに変わっている。

それは令和に入った19年8月に入ってからも同様だ。元々は顧客のために書かれていたものだが、観光名所のようになっている。

デジタルにはない魅力を存分に詰め込んだ黒板。訪れた際は見てみたい。