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「京ことば」のイメージについて街の人に話を聞くと「ゆったりと話す」「上品」「穏やか」「柔らかい」などの意見が多い。ところが、同じ言葉でも裏の意味があるというのだ。そこで、1月31日(木)に放送された「コトノハ図鑑」では、「上品で美しいだけじゃない 京ことばの謎」と題し、「京ことば」を調査。取材は、MBSの兵庫県神戸市出身・大吉洋平アナウンサーと、舞妓さんに憧れる福井県出身の藤林温子アナウンサーが担当した。

「おいでやす」「おこしやす」の違いとは?

 取材場所は京都の宮川町にある「お茶屋」から。「お茶屋」といえば芸姑を呼んで飲食を楽しむところで「一見さんお断り」など"敷居が高い"ことでも知られる。藤林アナは「私、初めてなのでめちゃめちゃ緊張しますね」とガチガチ。「そう簡単に立ち入ることができる場所ではありませんし...」と大吉アナ。そして、芸姑の小ふくさんと舞妓の小えんさんが「おいでやす〜」とはんなり登場。そこで、京都学園大学の丸田博之教授から「おいでやす」と「おこしやす」の違いについて出題された。わかるだろうか。「おこしやす」は遠方からやってきた人に対して、「おいでやす」は近くのいつも来る人に対して使う。また、京都の飲食店によっては予約客には「おいでやす」、通りがかりに入って来た客は「おこしやす」と使い分け、厨房にいる料理人にどちらの客が来店したのか分かるようにしているところもあるという。

「京都人はイケズ」ではない

 京都の言葉は、ほかの関西弁とは違う大きな特徴がある。「京都の人は基本的に自分が思っていることを露骨に言わない。遠回しに言って人を傷付ないようにしている優しさがある」と丸田教授。続けて「この優しさが逆に裏があると思われてしまっている」と解説した。「本音を言わない京都人はイケズ」と思われがちだが、相手を思いやる優しさだという。有名な「ぶぶ漬け(お茶漬け)食べますか?」には「帰ってください」の意味もあるが、露骨に「帰れ」とは言わない京都の人の優しい気持ちからきている。
では、なぜ京都の人は本音を言わず遠回しに言うのか。そこには、歴史的背景がある。戦国時代、他国の武将が京都を支配し、権力者の文句や陰口には厳しい取り締りがあった。そこで「遠回しな表現が好まれ、本音がわからなくなった」という。

「おおきに〜」
 京都で「考えときます」の表の意味は「考えます」で、裏は「お断りします」の意味になるという。「全面的にお断りしますではなく、その場で即断しない時に使います」と丸田教授。また、「おおきに」の表の意味はそのまま「ありがとう」だが、裏は「お断りします」の意味になる。

「お化け」「怖い」「ブサイク」は京ことば!?

「お化け」「怖い」「おっとり」はなんと、「京ことば」。「お化け」は、花街で変装を楽しむ行事が語源で、「怖い」はご飯が硬い様子が転じて強く恐ろしいという意味に。また「おっとり」は、包容力のある非常に大らかなか様。このほか、「しゃもじ」「まな板」「ブサイク」も「京ことば」だという。「しゃもじ」は、しゃくしに「もじ」をつけたしゃもじが定着。「まな板」は、御所ことばで魚のことを"まな"といっていたことから「魚をさばく板」=まな板に。「ブサイク」工芸品などの細工の出来が悪い=「不細工」が語源になった。中でも1番意外なのは、「おかあさん」も京ことばというのだ。豊臣秀吉が京都を改造するまでは2つのエリアに分けていたため、上京で「おたあさん」、下京では「おかかさん」と呼ばれていたのが合体したという。なお、「おおきに」の裏の意味(お断りします)の解説の時、大吉アナが「お誘いなど断る時、あなたは?」と、藤林アナに話を振っていたのだが、藤林アナは「『行けたら行きます』と言います」と答えていたので、この言葉を藤林アナに言われたら「お断りします」だ。

「コトノハ図鑑」(MBS 毎週木 よる0時59分放送)は、MBSのアナウンサーが「コトノハ図鑑」の編集者として様々な分野の"言葉(コトノハ)"の世界を取材。「アナウンサーが言葉を学ぶこと」を通して、視聴者にも発見を届ける。"コトノハ"を深く知れば、『人生が少し豊かになる』をコンセプトに知的好奇心をくすぐる番組。

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