松坂世代が同級生の松坂、村田、杉内、後藤の思い出を語る
9月9日にBCリーグ栃木の村田修一、9月12日に巨人の杉内俊哉、9月14日に横浜の後藤武敏が引退を表明した。一方、松坂大輔は9月13日に甲子園球場で行われた自身38歳のバースデー登板で勝利し、今季6勝目を上げた。3人は1980年生まれの同い年で、いわゆる「松坂世代」。同級生たちは彼らの過去、現在、そして未来をどう思っているのか。
8月11日に東京・渋谷区の白寿生化学研究所本社ビルで行われた「田中大貴と松坂世代たちが今、全てを語る!THE高校野球」のトークショー。同イベントは自身も高校球児だった元フジテレビ・アナウンサーの田中大貴さん、横浜高校の2年生でセカンドとして活躍した松本勉さん、京都成章高校のキャプテンとしてチームを引っ張った澤井芳信さん、元プロ野球選手で豊田大谷高校の主砲だった古木克明さんが、1998年の第80回全国高校野球選手権大会、そして同世代の松坂大輔、村田修一、杉内俊哉、後藤武敏らについて語った。
松坂世代で一番すごい投手&バッターは?
松本:僕が一番すごいと思ったピッチャーは杉内さんですね。カーブが、こんな落差見たことないって思ったし、投げ方が全部一緒なんですよ。ストレート、スライダー、カーブ。その中でカーブの落差が大きかった。変化球は打てないなと思ったので、対戦した時はストレート一本しか待っていなかったです。
澤井:すごいなと思ったのは和田毅。上重聡(日本テレビアナウンサー)とも対戦したけど、三振した(笑)。杉内、ってみんな言いますね。藤川球児もすごかった。
古木:横から見ていてすごいなと思ったのは、藤川球児だった。藤川のストレートは速く見えるんですよ。その時は140出るか出ないかくらいなのに。
田中:あと名前が出ていない人で言ったら、久保(裕也)。彼もすごかった。
古木:村田修一は最初はピッチャーだったけど、バッターとしてすごいと思った。対戦した時に、あいつライトにめっちゃ飛ばすんですよ。それで調子乗って三塁まで走ってくるから、僕がボールをキャッチする際にわざと村田の膝に当てたら痛がってました(笑)。ベースターズ時代に村田とチームメイトだったけど、後日談としてもその話はしていない(笑)。
澤井:確かに、村田は大学の時に対戦したけどすごかった。
田中:日大は館山(昌平)とかもいて、スター軍団だった。村田君、当時調子悪い時はタイミング合わせるためにバスターで打席に入るんだけど、バスターでライトスタンドまで持っていっちゃう。
古木:今年の村田の立場は、プロ野球やっている人からしたら仕方ないかなとも思うんですよ。年が年だし、チームのことを考えたらどういういい影響や悪い影響があるかわからないから、扱いづらいとは思う。仕方ないよね、と思ってしまう。僕もクビをくらった人間だし、そういう選手をいっぱい見てきているし。仕方ないよねって。まだまだやれるっていうのはわかるけど、でもまぁ仕方ないよねって。でも、やるんだったらやればいい。独立でも、アメリカにも独立あるし、アメリカに行ってみるのもいいと思う。野球好きだったらどこでもやるっていうのは普通だと思うし。お金もあるだろうし(笑)。だったら、最後アメリカで野球するっていうのもおもしろいよね。
田中:後藤武ちゃんは法政大学1年生の時からすごかったよ。プロに行く先輩たちからボコボコ打ってた。史上最速くらいで三冠王とって。本当にすごかった。和田毅とかみんな全く打てないのに、後藤武ちゃんだけは打ってたね。
古木:あいつ中学の時からすごかったんだよなぁ。後藤は浜松で同じ地域だったから、よく試合をしていた。中学の時からバンバン飛ばしていた。中学生でありえないくらい。
松本:1998年の明徳義塾戦で横浜がサヨナラ勝ちしたあの時、後藤さんが二塁ランナーで、僕が三塁ランナーだったんですよ。僕がホームインしてサヨナラ勝ちだから、ホームを踏んで後藤さんと抱き合おうと思っていたのに、後藤さんが全力疾走でホームに突っ込んで来て(笑)。この人サヨナラってわかっていないんじゃないかなって思いましたよ(笑)。後で聞いたらサヨナラってわかっていて全力疾走だったらしいですけどね。その前のPL戦ですごいエラーをして、そのうえ唯一ノーヒットだったから、監督から「次の試合出さない」って言われていたけど、後藤さんが直談判して、松坂さんも「こいつの力が必要です」って監督に言って。それで準決勝の明徳戦に出ていたので、いろんな思いがあっての全力疾走だったみたいです。
・合わせて読みたい→
【特集】同級生が語る 98年横浜 vs PL学園から20年の裏話(http://cocokara-next.com/feature_archive/98-daisukematsuzaka-play-back/)
田中:今僕らの世代は、野球には関わっているけど、第一線で活躍している人が少なくなってきた。最終的に40歳までやるのは、パフォーマンスが今でも上がっている松坂君くらいなんじゃないかなと思う。松坂大輔に始まって松坂大輔に終わる。
松本:1998年のあの甲子園から20年経っているのに、ちょうど甲子園100回大会というのもあって今また露出もたくさんある。松坂さんも蘇って、いろんな人に思い出してもらえるというのは嬉しいという気持ちしかないですね。考えられないようなこと。20年前っていったら、今の甲子園で戦っている選手達は生まれていないですからね(笑)。
古木:「松坂世代」という世代というか、言葉を作ってくれた男なんだから、最後までやってもらわないと困るという願いはありますね。
澤井:今僕らの年齢、プロにいけなかった同級生は、社会ではバリバリ働き盛りなんですよね。逆にプロ野球選手はもうできあがっていて、昔のようにはできなかったりする。いろんな意味で、すごく交錯する年齢だと感じます。そこで松坂がもう一回輝いているっていうのが、すごく意味があることなんですよ。この世代が、現役でも辞めた人でも、まだ頑張れるなっていう象徴でいてくれていると感じます。だからこのまま頑張って欲しいと僕らはみんな思っているけど、だからといって彼がそういう宿命を背負っているわけでなく、彼がいることによって、この世代のみんなが夢を持てる気がするんです。
松坂世代では和田毅、藤川球児、久保裕也、館山昌平などが現在も現役で、活躍が期待されている。一方、元西武の木村昇吾はクリケットに転身するなど、新しい人生を歩み始める選手も。
次回の同イベントでは、98年の甲子園に出場し、新発田農業高校(新潟)で和田毅擁する浜田高校に初戦敗退ながら、その年のドラフト3位で読売ジャイアンツに指名された加藤健さん、鎌倉学園では惜しくも甲子園には届かなかったが、田中大貴さんと慶應大学野球部で同期の長田秀一郎さんをゲストに迎えて9月17日(祝・月)に東京・渋谷区の白寿生化学研究所本社ビルで開催される。
「松坂世代たちが今、全てを語る!THE高校野球」
概要はこちら(https://lounge.dmm.com/detail/1070/)
チケットお申込みはこちら(http://shop.cocokara-next.com/shopbrand/ct6/)
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
