Twitterで良く使用される「ハッシュタグ」は、同じハッシュタグが付けられた投稿を簡単に検索することができることから、さまざまなメディアの企画やイベントの宣伝などで幅広く利用されています。SNSの分析などを行っているMentionが調査を行ったところ、「ハッシュタグの付いたツイート」はユーザーからあまり好意的な反応を得られていないことが判明しました。

The Twitter Engagement Report 2018 | Mention

https://mention.com/en/reports/twitter/

Mentionが7億件以上のツイートを調べて作成した分析レポートでは、「ユーザーがツイートに興味を引かれたことを示す指標」として、「いいね」「返信」「リツイート数」の合算値を示した「エンゲージメント数」とその値をツイートの表示回数で割ったエンゲージメント率を使っています。

以下は、1ツイートあたりの平均エンゲージメント率を示したもの。Mentionの調査では、1ツイートあたりのエンゲージメント率が平均で1695.62、中央値が0.5となっています。この結果からほとんどのツイートは大きな関心を得られることはないものの、一部のツイートに関しては非常に高い関心を得ていることがわかります。



そして、以下のグラフはどのようなツイートがユーザーの関心を引きつける傾向があるかを調べたものです。縦軸が平均エンゲージメント率、横軸がツイートの種類を表し、左から「絵文字を使ったツイート」「ユーザータグを使ったツイート」「ハッシュタグを使ったツイート」「文字だけのツイート」を示しています。このグラフを見ると、ハッシュタグを使用しているツイートが、他と比べて明らかに低いエンゲージメント率となっていることがわかります。



以下のグラフはハッシュタグの数に応じて、ユーザーの関心がどのように低下するのかを表したものです。グラフの縦軸が「エンゲージメント数の中央値」、横軸が「ハッシュタグの数」を示しています。このグラフではハッシュタグが1つ付くだけで、大幅にエンゲージメント数が下がり、ハッシュタグが4つ以上付くと関心がほとんど得られなくなることがわかります。



次に、Mentionはユーザータグを使用したツイートについても調査しています。以下のグラフはユーザータグの数に応じて、エンゲージメント数がどのように変化するかを示したもの。縦軸が「エンゲージメント数の中央値」を示し、横軸が「ユーザータグ(会話に参加させるユーザー)の数」を示しています。このグラフもハッシュタグ同様、数が増えるごとに減少する傾向が見られますが、ユーザータグの数が10を超えると、値が上昇する結果となっていました。なお、ユーザータグを使用する人はほとんどいないことから、たまたま数値が伸びている可能性があり、必ずしも高い関心を得られると限らないようです。



MentionはユーザーのBIO(プロフィール)に書かれた文字数によってフォロワーの数が変化するかについても調査を行っています。以下のグラフは縦軸が平均フォロワー数、横軸がBIOに書かれた文字数を示しており、グラフによると「BIOに91文字書いたユーザー」が最もフォローされているようでした。



しかし、縦軸を「フォロワー数の中央値」に置き換えると、全く異なる結果が表示されることも明らかとなっています。このグラフを見ると、文字数に応じてフォロワーの数が上昇していました。この場合の平均値と中央値どちらが信用できるかについて、Mentionは「中央値の方が信頼できる値だと考えられる」と述べています。



Twitterユーザーのプロフィールとして使用されるBIOには、ハッシュタグを入力することが可能です。そこで、MentionはBIOに入力されたハッシュタグの数でフォロワー数がどのように推移するかの調査も行いました。以下のグラフは縦軸が「フォロワー数」、横軸が「ハッシュタグの数」を示しています。グラフではハッシュタグの数に応じて、フォロワーの数が減少しており、このグラフでも「ハッシュタグがユーザーの興味を引かなくなる」ということを示していました。