マリナーズからFAとなった李大浩【写真:Getty Images】

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韓国ロッテも契約に動く? 本人はメジャーでも「フルタイム」での出場を希望

 マリナーズからFAとなった李大浩内野手について、韓国ロッテのほか、日本の4球団も興味を示していると、韓国紙が報じた。昨年の日本シリーズMVPに輝くなど日本での実績も十分な韓国人スラッガーの去就に注目が集まっている。

 昨季終了後、メジャー挑戦のためソフトバンクを自由契約となった李大浩は、マリナーズとマイナー契約。キャンプでアピールに成功して開幕メジャーの座を掴むと、左打者との併用ながら勝負強い打撃で存在感を見せた。ただ、後半戦は失速し、マイナー落ちも経験。104試合出場(先発出場75試合)で317打席と出場機会も限られ、最終的には打率.253、14本塁打、49打点でシーズンを終えた。

 そんな強打者について、韓国紙「コリア・タイムズ」電子版は「夢追い人から大黒柱へ」と題した特集記事を掲載。その中で「2017年シーズンにどのチームでプレーするかの選択を前にして、李は自分の経験と実績に見合う扱いでフルタイムのポジションを保証する球団を探していると話した」と伝えている。

 記事では、メジャーでのプレーは李大浩にとって夢だったと紹介。高額の報酬が保証されていたソフトバンクでのプレーではなく、マリナーズとのマイナー契約を選んだのも、それが理由だったと言及している。ただ、同紙は「シーズンを終え10月に帰国してから、彼は二児の父親や大黒柱としての役割と両立可能な野球キャリアを探したいと話すようになった」と指摘。マリナーズのような併用ではなく、完全なレギュラーとして起用してくれる球団を探しているという。

日本の球団は「最も李との契約に積極的」?

「マリナーズでの1年を経て、FAとなった彼は、男は求める場所ではなく、必要とされる場所にいるべきだと語った」

 父親として家族を養う必要がある李大浩は、記事の中で「自分がまたそういったキャリアを模索したら、大黒柱として、父親として無責任になってしまうだろう」と話している。当然、メジャーリーグでのプレーを希望しているものの、「もしフルタイムのポジションと適切な待遇が保証されていなければ、そのオファーについて真剣に考える時間が必要になる」とも吐露。今季と同じような待遇であれば、たとえメジャー球団からのオファーがあっても、簡単に首を縦に振るようなことはしないようだ。

 そして、そこで可能性が浮上してくるのが、すでに確かな実績を残してきた母国や日本でのプレー。「李は韓国や日本のプロ野球の選択肢も排除していない」。同紙はこのように紹介。韓国ではロッテ・ジャイアンツが興味を示しているとしつつ、「ジャイアンツがスラッガーをとどまらせるに足る高額の契約を提示できるかは未だ不透明だ」と分析。資金力に問題があるという。

 一方で、5年間プレーした日本球界は「最も李との契約に積極的だ」という。日本国内の報道を参考にしつつ、ソフトバンク、ロッテ、オリックス、楽天の4球団が「李との契約を真剣に検討しているという」と伝えた。日本のオフもすでに佳境で、ここに挙げられた4球団の補強も着実に進んでいるため、状況は変化しているが、李大浩が日本復帰の選択肢を持っていることは確かなようだ。