新・東京婚活事情:結婚から、逃げられない。温室育ちのお嬢様が、不幸な妻となった理由
東京都内のハイスペックな男女たち。
大都会東京で生き抜く彼らの恋愛観、そして結婚観は、一体どのようなものなのだろうか?
人生を左右すると言っても過言ではない、結婚という制度。特に都会では、そんな結婚に対するハードルが年々高くなっている。
一筋縄ではいかない、現代の婚活。他人から見れば羨ましい限りの人生を送る東京人の、結婚に対する価値観、その裏に潜む闇、リアルな実情を覗きたくはないだろうか?

早苗、29歳。結婚4年目の専業主婦です。
私は、「婚活」というものをしたことがありません。
夫とは、大学を卒業した翌年に知人の紹介で出会いました。
当時25歳だった私は、特に結婚願望が強かったわけではありません。しかし私自身というより、夫と両親が盛り上がってしまい、結婚話は当然のように進みました。
「婚活」だけでなく、私は「受験」も「就活」もしたことがありません。
幼稚園からエスカレーター式の都内の女子大を卒業後、私は両親の希望もあり、就職をせずに父の病院で受付業務をしていました。
父から貰うお給料は、一般的なOLの2倍近く。受験も就活も婚活もせず、港区でのんびり生まれ育ち、よく人から羨まれました。
「早苗ちゃんは、お嬢様だからいいよね」
「何もしなくても、生まれたときから勝ち組だよね」
自分の人生を思い返してみても、苦労したり、嫌な思いをしたり、または死に物狂いで何か努力をしたことは、ほとんどない。
私自身も、周囲の友人が人生の節目節目で苦労している姿を横目でみて、「自分は幸運な女なんだ」と感じたことは、少なからずあります。
しかし、「苦労は若いうちに買ってでもしろ」なんてよく言ったものです。
人生29年分の苦労を、私は今、存分に味わっている気がします。
彼女の言う、29年分の苦労の正体とは...?
「旦那の浮気は、大目に見なさい。」母からの衝撃の一言
「結婚相手はなるべく医者にしなさい」
開業医の父は、私が20歳を過ぎた頃から、よくそう言っていました。
実家は裕福な方で、親子関係も夫婦関係も円満。私は、絵に描いたように幸せな専業主婦である母のようになりたいと、幼心に思いながら育ちました。
母は優しく美しく、家庭で笑顔を絶やさない人で、そんな母の人生に疑問を持ったことは一度もありません。
だから父に言われるまでもなく、医者の夫を持ち専業主婦になることに抵抗はなかったんです。
25歳での結婚は、周囲の友人の中でもかなり早い方でした。会場は「帝国ホテル」で、150人近くのゲストを呼び盛大にお祝いしてもらいました。
ティファニーの指輪に、桂由美のウェディングドレス、ミキモトのパールジュエリー。
仲良しグループの友人の中でも、いち早く花嫁アイテムを揃えた私を、誰もが羨み祝福してくれていたと思います。
平穏な女子校で過ごした学生時代に、ストレスのない実家での仕事、そして、スムーズな結婚。人生において必要なイベントは、努力せずとも、するりと簡単に手に入る。
そんな風に育ててくれた両親には感謝してもしきれない程で、結婚祝いには白金のマンションまで用意してくれました。
結婚式で両親への手紙を読むときには、涙でメイクが崩れてしまったのをよく覚えています。

だからこそ、結婚後に母に助けを求めたときに返された一言に、私は衝撃を受けました。
「真一さんのことは、少しくらい大目に見てあげなさい。素敵な旦那様には違いないでしょう」
結婚前は全く分かりませんでしたが、夫はひどい浮気性でした。勤務医の彼は当直を偽っては、複数の女性と週に何度も遊んでいます。
もう数年前になりますが、何となく魔がさして、彼のスマホを見てしまったんです。
そうしたらもう、女性とのやりとりが、無尽蔵に出てくる出てくる。中には、結婚式に出席してくれた看護師さんまでいました。
あのとき、心に鋭い亀裂が入ったのと同時に、私の人生はガラガラと音を立てて崩れてしまった気がします。
不幸な妻となってしまった彼女。そして選んだ人生とは...?
結婚から、逃げられない。逃げたくても、逃げ場がない
最初こそ、夫本人に泣きながら浮気を問いただすことも何度かしました。
しかし夫は子供をあやすように私を宥め、全く真剣には取り合ってくれません。しつこくすると今度は家を出て行ってしまうため、結局いつも中途半端な論争で終わってしまいました。
「まだ若いんだから、早めに離婚した方がいいよ」
そんな風に親身にアドバイスしてくれる友人もいましたが、親にまで我慢しろと言われ、一体どうやってそこまで行動に起こせるでしょう。
それに私はほとんど働いたこともなく、離婚後に独り身になったことを想像してみても、身の振り方が全く分からない。
今まで一つも苦労をしてこなかった。それが結婚後、こんな風に裏目に出てしまった。
私は、結婚から逃げられない。逃げたくても、逃げ場がない。
結局今となっては、夫の不実な行動にいちいち反応しないことが私の最大の防御となりました。諦めたんです。そうしていると、表面的には夫とは良い関係が保てます。
こういうのを、一般的に仮面夫婦と言うんでしょうね。
夢でも妄想でもいいから、少しでも、家庭の外に拠り所が欲しい。そうでもしないと...

夫との関係も虚しく、家事以外に特にすることのない私は、近所の小さなカフェに通い時間を潰すのが習慣になっています。
そのオーナーである「健太くん」は、私のつまらない人生の唯一の楽しみです。
彼は25歳という若さでカフェのオーナーを務めていて、一生懸命にひたむきに経営を頑張っている様子が、とっても可愛い。
事情があって大学を中退してしまったという彼は、このカフェに尽力しているようで、何だか応援してあげたくなってしまうんです。
昼下がりに彼の元を訪れて、少し長話をする。そして、そこで売っているオーガニックのお菓子やお茶なんかを必要以上に買って帰る。
ほんのちょっとでも彼の売上げに貢献できればいいなと、ついつい通ってしまうんです。
何より、爽やかで若々しい彼と少し世間話をするだけで、とても癒されるんです。もちろん、それ以上の何かを望んでいる訳じゃありません。
健太くんから見たら、よく店にやって来てお金を落としていくただの近所のおばさんに過ぎないと思います。
でも、馬鹿な夢でも妄想でも何でもいいから、少しでも家庭の外に心の拠り所を作りたい。
そうでもしない限りは、私はいつか、夫を刺してしまいそうで。
【これまでの新・東京婚活事情】
vol.1:商社マンの憂鬱。婚期を逃した男の、危険すぎる癒しとは……?
vol.2:男は釣った魚にエサをやらない?外銀エリートと結婚した若妻の不満?
vol.3:婚活は懲り懲り。自称「普通の女」が結婚を諦めた理由
vol.4:自称「マメ男」の広告マンの正体は、薄っぺらい男。見抜いた女たちは...?
vol.5:「結婚願望のない男」を愛してしまった、一途すぎる女。その行く末は...
vol.6:真面目一本で生きてきた脳外科医。可愛い恋人は、残念な「○○女子」だった
vol.7:ヒマ人上等!何が悪いの?10年子なしのセレブ専業主婦の告白。
vol.8:コンプレックスを抱える、超高収入37歳外銀女。その悲痛な叫びとは
vol.9:「もっと上がいると思った」最愛の恋人を捨てた弁護士の、ズルさの代償
vol.10:「白金VS芦屋」バトル!東京育ちの女が許容できない、彼のエゴとは?
vol.11:「女は若い美人に限る。」女好き経営者の、初心を忘れぬリアルな欲望
vol.12:サヨナラ、東京。美女の威を借り続けたBランク女が、幸せを掴んだ理由
vol.13:金と男には困らない。30歳美人女医、バツイチ。向かうところ敵ナシ
vol.14:勝者少なかりしCAが逆転勝利!婚活で必要な「戦略性」を明かす
vol.15:欲望に忠実な医師の、身勝手な結婚観。「僕は“男”で在り続けたい。」
