雨後のタケノコ状態で乱立する恵比寿界隈の立ち飲み屋、実力のある店だけが生き残る淘汰が始まった……! その淘汰の中でも現在の立ち呑み屋は、安い、美味い、早いに加え、雰囲気がいいという付加価値がプラスされ、昨今の恵比寿立ち呑みの潮流になっている。

恵比寿界隈でさっと一杯呑むのに最適な5店をご紹介。知る人ぞ知る立ち飲みスポットはここだ!



階上からにぎわい具合を確認できる
賑やかに楽しみたい地下1階のオープンエア『山本商店』

恵比寿


古くからワインに力を入れてきた老舗酒販店の角打ちは、“恵比寿ツウ”を語るならば外せない、知る人ぞ知る立ち飲みスポット。店があるのは駒沢通り沿いのビルの地下1階で、立ち飲みスペースは店の入口前に。地階ながら外の空気を感じられる都会のエアポケットのような空間が大人の心をワクワクさせる。

店内に並ぶ世界各国のワインは、1本1000円台のデイリーワインから6ケタ価格の高級品まで、すべて店頭販売価格でいただける。缶詰やスナックをつまみに気軽な晩酌を楽しむもよし、レストランじゃ手が出ない憧れワインにトライするもよし。

買い物ついでに、食事に出かける前に、さらっと使いこなしたい。



22時前後が混雑のピーク



グラス代や抜栓料もなしで楽しめるのでかなりお得。サーディンなどは温めて出してくれる




イタリア好きやワイン関係者が集う。カウンター内に立つのがソムリエの江木氏
本物しかない空間に酔う大人のイタリアンバール『バール & エノテカ インプリチト』

恵比寿


イタリアをこよなく愛するオーナーが開いたエノテカバール。少しずつ形を変えながらもイタリアであることにこだわり続け、店は12年の歴史を重ねた。ゆったりとした天井高に立ち飲みもできる大理石のカウンター。江木義宏氏をはじめ、経験豊かなソムリエの美しい所作が映える。

グラスで約30種を提供するワインも、伝統的なものから自然派の造り手のものまで幅広く、好みに合わせたチョイスや示唆に富む飲み比べを提案。料理は気軽なつまみのほかに、地下1階に併設する『オステリア スプレンディド』からのメニューもそろう。

東京の小さなイタリアは、恵比寿の片隅で深夜まで、その灯りを灯し続けるのだ。



錚々たる銘醸ワインの空きボトルがずらり




壁際の立ち飲みスペース以外にも、カウンターの端で立ち飲みする人も多い。酒は日本酒、焼酎などの和酒が中心。カウンターに一升瓶が並ぶ
おふくろの味を、昭和歌謡を聴きながら『恵比寿 夜ノ森』

恵比寿


2015年1月、並木橋交差点そばにオープンした『恵比寿 夜ノ森』は、TOKYO No.1 SOUL SETの渡辺俊美氏がプロデュースしたカウンター酒場。手書きのロゴとBGMの選曲はリリー・フランキーさんが手掛けている。

名は福島県にある地名で常磐線の駅名でもある「夜ノ森」に由来。福島第一原発の事故以降、住むことができなくなった渡辺さんの故郷だ。ふるさとのように心安らぐ場所があれば、と作った店。だからつまみは家庭のおかずが中心、酒も日本各地から。当たり前のものを、丁寧に作る。経験豊かで渡辺さんとも旧知の仲だという料理人が、その想いをきちんと形にしている。

強い陽射しをさえぎり雨をやわらげ、地に潤いをたくわえてくれる山々の森のように。東京の夜に浮かぶ小さな『恵比寿 夜ノ森』が、過剰な喧噪をさえぎって、喉と一緒に乾いた心もほんの少し潤してくれるのだ。心に響く音楽とともに。



おつまみ六点盛り。メニューは一例



数々の出会いが素朴な料理にストーリーを添え、よりたくさんの人のふるさとやおふくろの味を思う気持ちと重なっていく



わずか4坪の隠れ家で優しいワインと音楽に浸ろう



6 〜 7 人も入れば店内はいっぱいに
わずか4坪の小空間で優しいワインと音楽に浸る『ワインスタンドワルツ』

恵比寿


オープンから間もなく4年。恵比寿におけるひとつの“顏”になりつつある。駅から徒歩7〜8分、路地裏にひっそりと佇むスタンディングの小さな店に、夜毎多くのワイン好きが集う。

近年、ファンを増やし続けているヴァンナチュールだが、以前、西小山でカフェを営んでいた時代からその魅力を伝え続けてきた大山恭弘氏に対する飲み手の信頼は厚い。

愛してやまない造り手のワインはフレッシュなものから熟成を経て驚くべき変貌を遂げたものまで、常時10種前後をグラスで用意。アンティークの器やアコースティックな音楽などすべてに彼のセンスが滲み出ていて、穏やかな時間に癒される。

今宵も大山氏の笑顔に会うべく、皆がつどい合う。



「白いんげん豆とトリュフのケークサレ」メニューは一例



石畳のアプローチ




セラーから見た店内
セレクト力とセンスが光るワイン角打ちの新名店『ワインストア』

中目黒


最寄りは中目黒駅なのだが「近くに来たなら」と、ワイン好きたちが恵比寿からも足をのばすワインショップ。

壁一面にワインが並ぶセラーに出迎えられ、選んだワインを奥の角打ちスペースで。色とりどりのエチケットが映える、コンクリートと鉄を基調としたシンプルなインテリアにもセンスを感じる。オープンは2014年5月。

扱うワインは店主の横川かおり氏が生産者の人柄や考えに共感して選んだナチュラルなものばかりで、その横川さんに共感するゲストが店に集う。共感の輪を生む“ワインストア”。約10種の有料試飲アイテムを30mlから販売していて、コーヒースタンドさながらの気軽さで立ち寄れるのも新しい。



オリーブやサーディン、パテなどワインに合うつまみも充実



フランス、イタリアを中心に350 種のワインが並ぶ