新東名、活用は圏央道次第? 神奈川の未開通区間が持つ大きな意味
延伸が続く圏央道。少なくなってきたその未開通区間で最も大きな意味を持つのは、神奈川県内でしょう。建設が進んでいる新東名を活かせるかどうかも、まだ未開通である圏央道の神奈川県内区間にかかっている、としても過言ではなさそうです。
もうすぐ茨城県内も全通する圏央道
今年2015年10月末に東名から東北道までが結ばれた圏央道ですが、2016年度中に茨城県内も全通し、常磐道・東関東道までもが連結の輪に加わることになりました。
ただし、東北道から東関東道までは暫定2車線(片側1車線)での開通です。予想される交通量も、東名から東北道までに比べると半分以下。圏央道は東に行くにしたがって都心部から遠くなり、迂回効果が薄れます。これについては、ルート設計自体が誤っていたと私(清水草一)は考えていますが、いまさらそんなことを言っても詮無いこと。ドライバーとして素直に開通を歓迎したいと思います。
ここまで来ると、残りの区間はどうなっているのか気になります。
大栄JCT〜松尾横芝IC間は、まだ開通目標年度すら公開されていません。ここは成田空港のすぐ東側を通ります。成田闘争という非常にデリケートな歴史を持っている地域だけに、事業の進捗は慎重に行われているようですが、この区間は全体から見ると重要度は低く、開通を心待ちにしているドライバーもごくわずかでしょう。
大きな意味を持つのは神奈川県内の未開通区間
焦点はもうひとつの未開通区間、圏央道の最も南側に位置する藤沢IC〜釜利谷JCT間(横浜湘南道路+横浜環状南線)です。完成目標は2020年度。ここが開通すると、東名の巨大な迂回路として機能するのです。
海老名JCTを起点に考えると、東名から保土ヶ谷パイパスを通って大黒埠頭までは39km、銀座までは52kmです。
一方、海老名JCTから圏央道南側を迂回すると、大黒埠頭までは50km、銀座まで85kmです。遠回りにはなりますが、横浜市中心部までならその差は10km前後。そしてこのルートは、交通容量に余裕のある首都高湾岸線の最南部を通過するため渋滞の確率はかなり低く、東名の大和トンネルや保土ヶ谷パイパスの慢性的な渋滞を考えれば、迂回する価値は十分あります。2016年4月から新料金体系が導入され、圏央道内側の高速料金が均一化されれば、料金負担もそれほど増えません。
それに、2020年度の新東名・御殿場JCT〜海老名南JCT間の開通後は“なおさら”です。上り渋滞のピーク時、新東名の交通量の大部分が東名に合流すれば、海老名JCTの合流ポイントを先頭にどういう渋滞が発生するか、“考えるのも恐怖”ですが、その一部が南へ迂回してくれれば、渋滞は相当緩和されるはずです。
個人的にはこの圏央道南側こそ、新東名の都心寄り延長ルート(の代替路)だと考えています。よって、新東名の御殿場JCT〜海老名南JCT間が開通する2020年度、目標通り同時に開通してくれればベストです。
2020年度の同時開通、実現できれば最良だが…
しかし、それはおそらく不可能でしょう。
藤沢IC〜釜利谷JCT間は14.2km。横浜市南部の大規模住宅開発地域を通っており、30年近く前から根強い建設反対運動が続いています。
2014年8月、国土交通省横浜国道事務所は、この区間について土地収用法に基づく事業認定申請を行いましたが、現在の用地買収率は94%程度で、今後も難航が予想されます。
外環道千葉区間の例を見ると、収用申請から明渡し完了まで5年7カ月かかっています。よって開通は、目標より数年遅れると考えておくほうが良いかもしれません。
