10月25日、石原慎太郎都知事(80)が突然の辞任会見を開き、国政への復帰を宣言した。将来の首相などという声もあるが「これまでの言動から、仮に石原氏が政権を取ると、庶民の財布に重大な危機が訪れる気がしてならない」と、経済ジャーナリスト・荻原博子さんは警鐘を鳴らす。

「いちばん危惧するのは日中関係がこじれることです。悪くなると、日本企業への打撃はもちろん、景気回復が進まず、雇用も消費もさらに冷え込み、給与カットやリストラなど私たちの家計にも影響を及ぼす可能性があります」

石原氏が推進した新銀行東京は、大赤字を出したうえ税金で追加の穴埋めを400億まで出した。

「東京都は裕福なので許されるのでしょうが、他の道府県の知事なら即退陣に追い込まれるはず。尖閣諸島だって、なぜ東京都民のお金で買わなければならないのか詳細な説明がなされていません。結局国有化となりましたが、集めた寄付金14億円をどうするのか。これだけムダ遣いができるのは都ならでは。国の財政は豊かではありません。血税がざぶざぶ使われ、私たちのお財布は干上がる一方になるでしょう」

石原氏の『もっとも有害ものは”ババァ”』といった発言などから、福祉の面にもとても熱心だとは思えないと荻原さんは言う。

「高齢者や弱者を切り捨てる発言をしてきた石原氏は、いつも上から目線。弱い者への政策をまったく打ち出しません。年金や生活保護など、社会保障分野には関心もないようです。たとえば生活保護世帯、もしくはそれに準じる就学援助を受けている児童・生徒の割合は、’97年から14年間で1.4倍に増加しています」

石原都政が続いてきたのはひとえに東京が豊かな自治体だったから。財が一極集中する東京では、とてつもないお金持ちが財政を豊かにする一方で、格差が開いているのが特徴だと荻原さん。

「財政豊かな都は母子世帯や生活保護受給者に対する充実した貧困対策が打ち出せるはず。それが手つかずでした。国政なら格差がますます広がる可能性があります。といっても、石原氏が首相になる可能性は限りなく低い。私たち庶民の目で、真のリーダーとしてふさわしい首相が誕生してくれるのを祈るばかりです」