【追悼…中村玉緒さん】脇役として放った輝き そして着物への思い…知られざる才能も【バンキシャ!】
今月9日、俳優・タレントとして活躍した中村玉緒さんが肺炎のため亡くなりました。86歳でした。玉緒さんのトレードマークといえば着物。ご自身でデザインしプロデュースも行っていました。
今回、特別にお借りしたのは、玉緒さんが考案した「バラ」が描かれた反物です。着物の柄にあまり選ばれなかったという西洋のバラを、玉緒さんはさまざまな着物にあしらいました。自由な発想で着物をデザインした中村玉緒さん。バンキシャの取材で、その知られざる才能が見えてきました。【真相報道バンキシャ!】
■“最後まで俳優業をやりたい”という強い思い

13日にバンキシャが訪ねたのは、千葉県にある鉄板焼き店。オーナー家族と玉緒さんは半世紀ほどの付き合いで、玉緒さんはこの店によく食事に来ていたという。いつも頼むというのが豚玉、そして、野菜オイル焼きだ。
定番のもやしやキャベツなどと一緒に焼かれているのは、トマトとアボカド。
──珍しいですね。
鉄板焼き店・オーナー
「玉緒さんに、いろんな野菜を食べていただきたくて。で、『おいしかった』っておっしゃっていただいたので、自信を持って、じゃあこれから、これもメニューに入れようってなりました。
だいたい、ご自身が食べられた後はささっと立ちまして、順番にお客さまのところにいらして『一緒に写真撮りましょう』って言って、ここに座って写真を皆さんと撮られたり」
オーナーが、最後に玉緒さんと会ったのは先月。
──どういった様子でしたか?
鉄板焼き店・オーナー
「最後まで俳優業をやりたいっていう思いがすごいなっていうのはずっと思っていて、中村玉緒として皆さんの前に出ることだけを本当に願っていて」
■バイプレーヤーとして放った輝き

バラエティー番組でみせる天然なキャラクターで、多くの人に親しまれてきた中村玉緒さん。俳優として数多くの映画に出演してきた。
中村玉緒さん(2008年/当時68歳)
「体の続く限り、これからも女優としてがんばっていきたいと思います」
数々の賞を受賞するなど、多くの功績を残した。2023年には、映画のトークイベントに登壇。公の場に出てきたのは、これが最後だった。
このトークイベントで玉緒さんと対談をした、映画評論家の樋口尚文さんは、玉緒さんの俳優としての魅力をこう話す。
映画評論家・樋口尚文さん
「いわゆる主演っていうよりは、脇役で光るお嬢さん的なポジショニングが多かった。カラッとした感じで主演の人を引き立てると。そういう時に、玉緒さんが最大限に持ち味を発揮されてたという気がしますね」
玉緒さんは、晩年もバイプレーヤーとして輝きを放った。
■トレードマークの着物 自身でプロデュースも

功績を残したのは映画界だけではない。玉緒さんは、トレードマークの着物を、自身でプロデュースもしてきた。バンキシャが訪ねたのは、着物デザイナーの千地泰弘さん。
着物デザイナー・千地泰弘さん
「きょうは着物の展示会をやっています。玉緒さんもこういう展示会をしょっちゅう一緒にやっていたんですね」
ライフワークとして、着物の創作活動を行ってきた玉緒さん。活動25周年のイベントでは──。
中村玉緒さん(2015年/当時76歳)
「玉緒の着物と言っても、素人がやるにはダメなんじゃないか(と思っていた)。これがこうやって皆さまのおかげで、ここまで来られたことは、本当に夢のようでございます」
5年前、展示会の客には、こんなメッセージを送っていた。
中村玉緒さん
「楽しみにしておりますので、皆様もどうぞ楽しんでお買い上げください。玉緒でございます。よろしく」
■「どうしてもバラを着物にしたい」

30年以上続けた着物の創作活動。千地さんは、玉緒さんのパートナーとして、その活動を一番近くで支えてきた。
着物デザイナー・千地泰弘さん
「彼女(玉緒さん)は、自分で絵は描けないので、発想して、僕が絵を描いて。(玉緒さんは)奇想天外な人だったから」
そんな玉緒さんが、着物の柄に取り入れたモチーフがあるという。見せてくれたのは「バラ柄の反物」。
着物デザイナー・千地泰弘さん
「(午前)7時半か8時だと思うんですね、僕のところに電話がかかってきまして、『先生、バラでっせ!』って。『バラの夢を見た。どうしてもバラを着物にしたい』って」
夢で見たバラ、それを着物の柄にしたという。
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着物デザイナー・千地泰弘さん
「当時はね、バラの着物っていうのはなかったんですね、日本の牡丹(ぼたん)とか菊とか、そういうものだった」
それまで、着物の柄にはあまり選ばれなかったという西洋のバラ。それを玉緒さんは大胆に取り入れた。
着物デザイナー・千地泰弘さん
「非常に画期的っていうか、すごいアイデアだったなっていうふうに思いましたよね。ほかの作家さんも作るようになったりして」
着物デザイナー・千地泰弘さん
「玉緒さんの着物っていうと“バラ”っていうのが、一つのトレードマークになりました」
自由な発想で、人々を魅了してきた玉緒さん。
着物デザイナー・千地泰弘さん
「玉緒さんから得たものってすごくあってね。あれほど、こう負けず嫌いで、一生懸命で、人に迷惑かけないでっていう考え方を持った人って、いないと思います。一生懸命生きたと思います」
