米国は「ホスト国」にふさわしいのか? 政府がイラン代表スタッフへのビザ発給を拒否 開幕目前の“不公平なW杯”に批判噴出「意図的かつ差別的な扱い」

W杯開幕が間近に迫る中、イラン代表の扱いを巡る混乱が続いている(C)Getty Images
果たして、公平な条件での大会参加は叶うのか。来る6月12日に開幕する北中米ワールドカップ(W杯)に挑むイラン代表に激震が走っている。
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明らかになったのは、ホスト国であるアメリカからの厳しい取り締まりだ。現地時間6月5日、英公共放送『BBC』を含む複数の海外メディアは、イラン・サッカー連盟のメフディ・タジ会長を含む計15人の関係スタッフに対するビザ発給が拒否され、大会参加が認められない状況だと伝えた。
そもそもアメリカとイランの関係性は芳しくない。今年2月にドナルド・トランプ政権がイスラエルとともに実行した国内への軍事作戦が影響し、国際情勢が悪化。すでにW杯出場を決めていたイランだったが、攻撃を正当化し続けているトランプ大統領が「(イランが)ワールドカップに出場することは、彼らの生命と安全の観点から適切ではない」と漏らしたことで、大会参加の際の安全面などが不安視されていた。
そうした中で、出場登録がされた全26選手と「必要最低限」とされるサポートスタッフに対するビザは今月5日に発給がされたばかりだった。
しかし、その際にも「(イラン側が)この制度を悪用して、偽りの口実でテロリストをアメリカに潜入させることは許されない」と発信していたアメリカ政府は、それ以上の入国を認めない意向を堅くしている。
W杯のグループステージ3試合をアメリカで戦う予定となっているイラン。それだけにコーチ陣が試合に携わるためにはビザが必要となるのだが、現時点で見通しは明るくないという。
なお、すでにビザが発給された選手と一部のスタッフたちに対する警戒が緩まったわけではない。『BBC』は「試合当日に米国に入国し、同日中には米国から出国しなければならない」という前代未聞の条件が課されていると報じている。タイトな連戦が続く代表チームにとって過酷な条件と言え、競争の平等性が保たれているとは言い難い。
ホスト国の政権が、いわば“ゲスト”である代表チームの運命を操舵している――。この異例の状況には、海外メディアから批判の声が上がっている。
英紙『The Guardian』は「アメリカ政府は、イラン代表に対する意図的かつ差別的な扱いを最高レベルにまでエスカレートさせた」と指摘。W杯への露骨な政治介入を非難した上で、「イラン代表が大会期間中に、どのように拠点を移動していくのかについては、依然として大きな不確実性が残っている」と伝えた。
イラン大使館関係者は国際サッカー連盟に手助けを求めているようだが、状況は改善されるのか。仮に現状のまま、開幕を迎えれば、今大会は「史上最悪のワールドカップ」となりえる。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
