ドラマ『銀河の一票』、業界関係者が「視聴率を伸ばすのは不可能」と語る《納得のワケ》

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現在放送している春クールドラマで、業界関係者や熱心なドラマファンの間で最も話題になっている作品といえば、間違いなく『銀河の一票』(カンテレ制作・フジテレビ系、月曜午後10時〜)だろう。

本作は、政治家の不正を密告する告発文をきっかけに、すべてを失った与党幹事長の娘で秘書の星野茉莉(黒木華)が、偶然出会った気さくなスナックのママ・月岡あかり(野呂佳代)を都知事選挙に担ぎ出すという異色の選挙エンターテインメントドラマだ。

いざ放送がスタートすると、SNSやブログ記事では「毎話が神回」「今の社会に必要な傑作」「『きれいごとじゃないよ。きれいなことだよ』というセリフが刺さりまくった」「黒木華さんの演技力に引き込まれる!」といった最上級の賞賛コメントが多数書き込まれているほか、ドラマレビューサイトでは5点満点で3.9という高い評価を獲得するなど、その期待値をはるかに超える反響を得ている。

しかし、これだけ視聴者からの熱い支持を集めながら、現状はテレビドラマにとって最も肝心な視聴率が芳しくない。

初回の世帯視聴率が5.0%、個人視聴率は2.9%(ビデオリサーチ社調べ、関東地区)で、春クールの民放プライム帯ドラマの中で10番目という低調なスタートを切ると、第2話で4.5%、第3話で4.2%と少しずつ下降線をたどっていき、1日放送の第7話は3.5%と低迷。ネットの評価と反比例するかのごとく視聴率が伸び悩んでしまっている。

前編『不名誉な3%台…「メインキャストが地味すぎる」ドラマ『銀河の一票』高評価もなぜか視聴率が伸びない理由』では、同作の視聴率が振るわない背景を業界関係者に聞いた。

本記事でも引き続き、関係者が「現代の視聴者のニーズに合っていない」と評する同作の問題点を解説する。

“ながら見”できない本格志向が裏目に

「途中話から見ても楽しめない点が、現代の視聴者のニーズに合っていない」

なんとも厳しい指摘をしたのは、制作会社でディレクターを務めるC氏だ。

「近年はスマホをいじりながらドラマを見る“ながら見”が一般的になり、少し目を離してもストーリーが追えるような、分かりやすい構成や過剰な説明ゼリフが多いドラマが好まれる傾向にあるんです。

しかし、『銀河の一票』は、そのような作りになっていない。というよりは、あえて“していない”。おそらく今後も視聴率を伸ばすことは不可能に近いと思います。

例えば、何気なく登場した『予約2年待ちの林檎ジャム』が、複数の登場人物の手を渡り、あかりから茉莉へ戻ってくるシーン。ジャムの輝きが“光”のモチーフとして描かれる素敵な展開なのですが、それまでの流れや登場人物のキャラクター像を十分に理解していないとグッとこない。

その他にも、各話を見ていないと理解できないセリフや感情の伏線回収が多数散りばめられている。ドラマファンにとってはたまらない上質なシナリオが皮肉にも視聴率アップの足かせになってしまっている。

配信サービス『TVer』で1話と最新話を見ることができますが、他作品がやっているように、せめて3話までは公開しておいてもよいのでは思っています」

春ドラマ全体の不振で

一方で、キー局の若手プロデューサー・D氏は視聴率が伸びない理由を別の視点から説明してくれた。

「春ドラマそのものが全体的に総崩れで、どのドラマも話題になっていないことも原因だと感じています。

最近の傾向として、各クールにヒットドラマが数本あると、他のドラマも視聴率が上がると言われている。おそらく見逃し配信やSNSの口コミ経由で『別のドラマも見てみよう』となる人が増えるから。

しかし、期待されていた日曜劇場『GIFT』や同じフジ系の『サバ缶、宇宙へ行く』が全く振るっていないので、『銀河の一票』までリーチしないんですよ。むしろ、あのテーマとキャストで4%台を維持しているのは、すごいことだと思います。

『銀河の一票』は、『TVer』のお気に入り登録数も5週連続で増加し続けているそうなので、個人的にはまだ視聴率が上がる可能性は残っていると思います」

『銀河の一票』 今後の視聴率はどうなる?

ここまで業界関係者の声を集めて論じてきたように『銀河の一票』は、視聴率という観点ではヒット作にならないかもしれない。

しかし、華やかなキャストや分かりやすい展開で視聴者を惹きつけるのではなく、連続ドラマらしさに向き合って作り続けている姿勢は、終盤話で評価されていくはずだ。

本編で、茉莉があかりたちに「政治の話じゃないです。私たちの話です。私とあなたの」と熱心に語るセリフがあったが、それを体現するような熱量の高い“神ドラマ”になることを期待したい。

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