東京23区の新築マンション市場で「億ション」が爆発的に増えています。日経新聞の報道によると、2025年に供給された1億円以上の新築マンションは前年比62.5%増の5947戸となり、過去最多を記録しました。高騰が止まらないマンション市場ですが、そろそろ「バブル崩壊」や「値崩れ」が起きるのではないかと気になっている方も多いのではないでしょうか。

今回は、らくだ不動産株式会社の代表取締役社長・山本直彌さん、チームリーダー・エージェントの鈴木成禎さん、執行役員・エージェントの八巻侑司さんの3名が、現在のマンション市場のリアルと今後の見通しについて徹底解説します。

◾️新築「億ション」6割増の裏側。高騰は止まらない?
2025年の東京23区における億ション供給数は約6000戸に達しましたが、鈴木さんは「今の相場を見ていると、全く驚きはない」と語ります。

その背景には、避けられないコストアップがあります。八巻さんは「建築資材の高騰、人件費の上昇、そして都心の用地取得費の高騰が重なり、デベロッパーとしては1億円以上の価格設定にしないと事業として採算が合わない状況になっている」と説明します。さらにニュースでは「ナフサショック」の懸念も取り上げられており、資材費などのコストは今後も下がりにくい(あるいはさらに上がる)状況が続くとみられています。

◾️「売れ残り」は発生しても「値崩れ」は起きないカラクリ
では、これだけ高額なマンションが飛ぶように売れているのかというと、実態は少し異なります。山本さんは「実需層(実際に住むために買う人)の予算の限界はすでに来ており、高額な新築物件の中にはポツポツと売れ残っているものも出始めている」と指摘します。

それならば「バブル崩壊」で一気に値崩れするのでは?と期待したくなりますが、そう簡単にはいかないようです。

「昔のデベロッパーは完成した物件が売れ残ると、すぐに値下げをして売り切ろうとしていました。しかし今は大手デベロッパーの体力が非常に強く、『完成在庫になっても数年かけてじっくり売ればいい』という戦略をとっています。そのため、表立った新築の値崩れやバブル崩壊は非常に起きにくい構造になっています」と山本さんは解説します。

◾️中古市場で始まる「価格調整」。これからの家探しは?

新築の値崩れが起きにくい一方で、中古市場には変化の兆しがあります。