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21日、自民党で高市総理大臣を支える新たなグループが立ち上がりました。347人が入会する異例の規模となるなか、参加しなかった議員からは批判も出ています。

■側近議員と総理官邸サイドが綿密な打ち合わせ

21日午後4時前、自民党の幹部や去年の総裁選で高市総理と争ったメンバーなどが集結。高市総理を支えるため、新たなグループが立ち上げられたのです。

国力研究会会長 加藤前財務相
「高市総理、政権を支えて、そして私どもが一致団結して」

会長は加藤前財務大臣、事務総長は木原官房長官がつとめ、麻生副総裁が最高顧問に就任。グループの名称は「国力研究会」です。

通称は「JiB」で、その由来は、高市総理が度々口にしている「Japan is Back」です。入会したのは自民党所属国会議員の8割をこえる347人にのぼりました。

今回の研究会設立は、来年予定される自民党総裁選で高市総理の無投票再選につなげる狙いもあるということです。そのウラでは、設立に向け、側近議員と総理官邸サイドが綿密な打ち合わせを行っていました。

会への参加申し込みの締め切り日だった15日。高市総理の側近で、会の中心メンバーでもある山田宏議員が総理官邸を訪れました。

――国力研究会として話は

山田宏議員
「それはしていません」

――全くなかった?

山田宏議員
「はい」

総理との面会後、こう話した山田議員でしたが、その直後に向かったのは自民党本部でした。木原官房長官や萩生田幹事長代行らとともに参加希望者の確認や、今後の運営方針について話し合ったとみられます。

■「全員が本気で総理支えるとは思えない」指摘も

「高市一強」とも言われるなか、設立された国力研究会。ただ、参加しなかった議員からは…

村上前総務相
「あんな大政翼賛会みたいな会をやる必要があるのかと、全くナンセンスだよね」

――ご自身はどうされる

村上前総務相
「何でそんなもんに俺が入らなきゃいけないの」

戦時中、政府への異論や反論を封じた政治組織「大政翼賛会」にたとえて批判。

また、あまりに多くの議員が参加したことで、「全員が本気で高市総理を支えるとは思えない」との指摘も出ています。

思惑が交錯するなかスタートした国力研究会。「高市一強」を決定づけるのか、巨大グループの行方が注目されます。

■“キングメーカー”麻生副総裁の影響力示す狙い?

「国力研究会」のオモテとウラ側について、日本テレビ政治部の矢岡亮一郎官邸キャップが解説します。

――まずオモテの動きとして「国力研究会」には347人もの自民党議員が参加して、目的は「政策勉強会」ということなのですね

そうなります。21日午後、会場を取材してきました。

入会したと発表されたのは347人で、会場で見る限り座席は半数の170席程度で、立ち見の議員もかなりいました。始まってすぐに会場をあとにする議員も一定数いました。発起人の1人、小泉防衛大臣は開会前に麻生副総裁に少しだけあいさつをして帰っていました。

会の最高顧問には、去年の総裁選で高市総理誕生の流れを作った麻生副総裁が就きました。そして会の運営を取り仕切っているのも、高市総理にも近い麻生派の議員です。

――ウラ側では様々な思惑がうごめいていたと

そうです。ここからがウラ側です。入会を決めた議員に話を聞くと、結構多いのが「反高市総理と見られたくない」「断る理由がないので、とりあえず入った」という人、つまり「消極的な参加」という人が結構います。

永田町では、来年にかけて2つのイベントが控えています。1つ目は、夏にも行われる見通しの内閣改造・党役員人事で、2つ目は、来年秋の自民党総裁選です。

つまり、ポストも意識して反主流派にはなりたくない議員が、消極的参加をしているわけです。

一方で、何とか総裁選で高市総裁・総理の無投票再選の流れを作り、その主導権を握りたい“高市応援団”も一定程度います。複数の自民党議員からは「キングメーカー=麻生副総裁が影響力を示す狙いもある」との解説も聞かれます。

■主流派・反主流派の線引きさえできなかった?

――347人も集まったので影響力を示す狙いはうまくいった?

一定程度、そういう見方もあるのですが、そうとも言えない側面があります。

あるベテラン議員は「自民党の大多数の議員が入れば、グループでも何でもない。ただの党の議員総会では」と話していました。つまり、主流派・反主流派の線引きさえできなかったというわけです。

党内には、麻生氏に抵抗感を持つ議員も一定数いるのですが、こうした議員からは「会自体を無力化できた」「1回集まって終わりだろう」という非常にネガティブな見方も聞かれました。

――こういう動きを高市総理はどう見ている

胸中は正直分かりません。ただ、ある閣僚経験者は「党内にわざわざ亀裂が入ることはして欲しくないと思っているのでは」と話していました。

参加しなかった石破元総理にも話を聞きました。「自民党が大政翼賛会的になりつつある。議員一人一人がもっと自立的であるべきだ」と話していました。

自民党の歴史に詳しい中央大学の中北教授は「派閥がほぼ解消した影響もあるのだろう。自民党は『束にならないとモノが言えない』世界。自民党の体質が現れた形なのでは」と話しています。