日本で惚れ込んだもちもち食感の菓子を ブータン人の女性、現地で売り出しに奮闘

ヒマラヤの小国ブータンに、留学先の日本でほれ込んだ大福の形をした菓子をアレンジし、売り出しに奮闘するブータン人女性がいる。もちもちした食感を知ってほしいと店名は「MOCHI」にした。今では天ぷらや鍋焼きうどんもメニューに加え「小さな日本」のお店になりつつある。(共同通信ニューデリー支局=岩橋拓郎)
クンザン・ラムさん(34)には日本人と結婚して東京に住む叔父がおり、子どもの頃から日本に親しみを感じていた。「いつか行ってみたい」との夢がかなったのは2018年。福岡県新宮町の日本語学校で学び始めた。
昼は学校に通い、夜は菓子やパンの製造工場で働いた。初めての日本の生活を支えたのはおいしいスイーツだった。「コンビニで売っているロールケーキやバナナケーキが疲れを癒やしてくれた」と振り返る。特に気に入ったのはロッテのアイスクリーム「雪見だいふく」だった。「アイスを包む餅に感動した。ブータンにはない食感だった」
調理の道に進もうと服部栄養専門学校(東京都渋谷区)に入学。和食や中華料理、イタリア料理を基礎から学び、都内の和食店ですしや鍋、炊き込みご飯の調理担当として経験を積んだ。
2023年に帰国すると、日本と比べてスイーツの種類が圧倒的に少なく、物足りなさを感じ「自分で作って売り出そう」と首都ティンプー中心部に店を開くことに決めた。看板メニューは餅の生地でストロベリーやブルーベリー味のクリームを包んだ大福。店と同じMOCHIと名付けた。
もっちりした食感を出すために2カ月ほど試行錯誤を続けた。「餅をこねる力仕事で腕が痛かった」と苦笑いする。2024年の暮れに開店し、1個120ヌルタム(約200円)のMOCHIを中心にロールケーキやクッキー、パンも自前で作って売っている。和食メニューではとんかつが売れ筋だという。
クンザンさんは「食を通じてブータンの人に日本を知ってもらうきっかけになったらうれしい」とはにかんだ。



