【ご用心】全国で出没や被害相次ぐクマ…県内でも出没 遭遇体験者が語る恐怖の瞬間(静岡)
「全国で出没相次ぐ県内でもクマ目撃 その対策は」。2025年に続いて、2026年も全国でクマの目撃情報や、中には、クマに襲われたとみられる遺体がみつかるなど、被害も伝えられています。こうした中、静岡県内でも5月、クマの目撃情報がありました。私たちはクマと遭遇した男性を直撃取材。恐怖の瞬間を語ってくれました。
これは5月1日に撮影されたドライブレコーダーの映像。突然、車の目の前に現れたのは体長1メートルほどの…クマです。
「クマ。ちょっと待って」
クマは道路を30秒以上走り続け・・・坂道をのぼり山の中へと入っていきました。
クマが目撃されたのは浜松市の中心部から車で1時間ほどの場所にある浜名区引佐町の谷沢地区。
(記者)
「時刻は午前8時半すぎです。10日前のちょうどこの時間帯、クマはガードレールの脇から現れ、道路を奥の方に向かって走っていったということです」
クマが目撃されたことについて、地元住民からは不安の声が。
(地元住民)
「来ないかなと思っていたら、こんなところまで来たかなという感じ」
(地元住民)
「気をつけないといけない、危ない。生活の中のクマという意識はなかったからね。頭の片隅に入れておかないといけないよね」
これまで目撃されたことがなかった地域に出没したクマ。
私たちはクマを目撃した男性に話を聞くことができました。
(クマを目撃した男性)
「最初は普段この辺りにいるイノシシやシカだと思って見ていたが、どうも違うと思ってクマだと気が付いた。いよいよ出ちゃったなという。自分の生活範囲内に来られちゃうと困ったというか困惑が大きかったです」
男性が目撃したクマは体長1メートルほど。
けが人は確認されていませんが、男性はクマの姿を目の当たりにしたことで恐怖心が芽生えたといいます。
(クマを目撃した男性)
「思ったよりは速い走り方をしているなと。もし人が走っていて、クマに追いかけられたら、逃げ切れないのではないかという気はしましたね。走っているのを見て。体長1メートルだと。人がもし襲われるとかなりが被害が出ると言われているから」
また、クマが目撃された場所のすぐそばには小学生の通学路も…5月1日もクマが目撃される1時間ほど前に子どもたちが登校していったといいます。
(クマを目撃した男性)
「たまたまあの日(クマが目撃された)時間が朝8時半で、子どもたちの集合時間が朝の7時ですから、時間がずれて結果的には良かった」
これを受けて近くの小学校では、児童の登下校を徒歩ではなく、保護者による車の送迎に…。クマの新たな目撃情報はありませんが、学校は少なくとも今週いっぱいはこの対応を続ける予定です。
(保護者)
「クマのことがあるので、送り迎えは必要かなと思います。やっぱり(クマの被害を)テレビで見ているので怖いなと思います。安全のために送り迎えをしたり、あまり山に行かないとか気を付けたいと思います」
全国でも人里へのクマの出没が相次いでいます。
先週、秋田県のスーパーマーケットの駐車場から撮影された映像には、木の枝の上を器用に歩くクマの姿が。さらにおととい10日、長野県では…。
乗用車の前に飛び出してきたクマが、走行中の車に衝突しました。
また、岩手県では、山菜採りに出かけたクマに襲われた可能性のある60代の女性の遺体が見つかるなど被害も出ています。
この時季のクマはどのような特徴があるのでしょうか。
2頭のツキノワグマを飼育する浜松市動物園の飼育員は…。
(浜松市動物園 加藤 嵩 さん)
「嗅覚がとてもいい動物。人間が目視する範囲に入った時点でクマにはおそらく気づかれている。イヌの10倍といわれる。ブイの中にエサを隠しても姿かたち見えなくてもにおいで判別するくらいの嗅覚はある」
全国では、冬眠明けでまだ山にいるはずのクマの出没が相次いでいることについては、「さまざまな理由が考えられる」と話します。
(浜松市動物園 加藤 嵩 さん)
「一般的に春から夏にかけて繁殖シーズンになる。オスはメスを探し行動範囲は広くなると言われる。冬眠明けのクマはいわゆる絶食に近い状態から何か物を入れないといけない。食物を探したりしないといけない。活動範囲は広がると思う」
今や街中に現れるほど活動範囲が広がっているクマ。
どのような対策が必要なのでしょうか。
(永見 佳織 アナウンサー)
「ありました。クマ対策グッズ。 スプレーに鈴など幅広く使われ ていますよね」
このスポーツ用品店では、2年前からクマの対策グッズを取り扱うようになったといいます。
(永見 佳織 アナウンサー)
「ここスプレーあるんですけど。ずらずらずらって、実際にほんとにお求めになる人が多いということでしょうか?」
(スポーピアシラトリ静岡店 高橋 直己 さん)
「昨年はもう入荷してからもう即完売してしまったので、ことしはちょっと投入数をだいたい2.5倍ぐらいに増やして商品をそろえているんですけれども、これから春でクマが増えてくるので、ちょっと多めにはそろえていますね」
そんなクマへの対策としては、“二重の対策”が有効だと話します。
(スポーピアシラトリ静岡店 高橋 直己 さん)
「スプレー自体は、もう出会ってしまった時に使うものなので、できれば山に入らないのが1番なんですけど、どうしても入らなければいけない状態があるので、そういう時は…こういう鈴とかですね。あとは、ラジオとかを鳴らしていただいて、音がするものが予防としては有効なので、とりあえず、鈴などで予防していただいて、万が一のために、一応スプレーを持っていただく…というのが1番いいと思いますね」
これからますます動きが活発になるというクマ。万が一の備えが重要です。
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(スタジオ解説)
(澤井 志帆 アナウンサー)
県民の生活エリアでもクマが出始めたということで、怖い思いをされている方も多いと思います。
藤井さんは全国のニュースでクマの出没について伝えられていると思うんですが、最近の特徴について感じることはありますか?
(コメンテーター news zero メインキャスター 藤井 貴彦氏)
先月下旬北海道北部の戸間前町というところで、身長が2メートル20センチで体重が300キロのクマが箱穴にかかったんですよ。
岩手大学のクマを専門に研究されている准教授の方にお話を聞くと、冬眠明けで300キロというのはちょっとおかしいと思う。
ということはどこかで飼育している牛とか豚の飼料を食べて、冬眠明けにもう1回太ったんじゃないかということで、もうすでに皆さんの周りに出てるから気をつけてくださいねというふうに呼びかけを始めているそうです。
津川さん、クマの冬眠って、ただ寝ているだけじゃないんですか?
(レギュラーコメンテーター 津川 祥吾 氏)
よく「冬眠」って言うと、カエルみたいに全く動かなくなるイメージなんですけど、クマは哺乳類というところもありますので完全に寝ているわけじゃないんですね。特にメスは子どもを産みます。冬眠中に何も食べないで子どもを産むんです。イライラしますよね、当然。お母さん本当大変だと思いますけど。
(藤井氏)
なんで知ってるんですか?
(津川氏)
私は北海道ですけども、知床というところでボランティアレンジャーというのをやっていて、あそこヒグマがたくさん多いものですから、ツキノワグマも同じなんですが、冬眠中なんだけど完全に活動が止まっているわけではなくて少し活動があります。
最近温暖化が進んで冬眠期間が短くなっているんじゃないかという説もあるんですが、どうもそこまで単純ではなくてですね、つまり冬眠に入る前にたくさん食べるんですね。それで冬眠に入って春活動を始めるんですけども、その前にどうも十分に食べきれないとお腹が空いて起きてきちゃうんじゃないですか。
あるいは、今お話があったように、人間の生活圏で食べ物があるということが分かると、早めに出てきてしまうんじゃないかということが言われていますね。
(澤井アナ)
そうなんですね。さて、こちらは年度ごとの全国でクマに襲われて亡くなった方の人数です。
これまでは多くても5人前後だったんですが、去年(2025年)は急増して13人の方が亡くなっているということなんです。
そして去年は一番最初に被害が出たのが、6月だったんですが、今年は4月、岩手県で山菜取りに出かけた60代の女性がクマに襲われて亡くなったとみられていまして、2か月も早く被害が出始めているということなんです。
津川さん、このクマのニュースを見て感じることってありますか?
(津川氏)
まず、とても危険な動物ですので警戒する必要があります。
ただ例えば静岡と東北で状況が多分全く違うと思っていいと思います。
静岡県内は県の発表でも、ツキノワグマがだいたい540頭ぐらいいるだろうと言われているんですけども、秋田県なんだとだいたい4000から6000頭ぐらいいるんじゃないですか。
(澤井アナ)
8倍近く!?
(津川氏)
目撃件数でいくと静岡の60倍とか70倍とかいます。そのぐらい密度が違いますから、そこは一緒にしなくていいだろうなと。
全国で東北で大きな問題になったということで、そのまま静岡でも危険だと思う必要はないと思います。
ただ逆にですね、東北の皆さんって、いわゆる「クマ教育」ってしっかりやってるんですよね。子どもの時からクマに会わないためにどうするかとか、クマに会ったらどうするのかってよく知ってる方が多いので、逆に静岡県民、私たちはあまり知らないので、そこが逆にちょっと危険になるかもしれないので、今回しっかりとみんなで学び直したいなと思いますね。
(澤井アナ)
いざ出合った時にどうするかっていうのを知ってるか知ってないかで、結果は変わってくるかと思います。
まず県では目撃情報があった場所をマップ上で公開していまして、昨年度(2025年度)は200件あったということなんです。
本当に東から西まで多く目撃されていまして、多くは山間部なんですが、静岡市周辺をクローズアップしてみましょう。
そうしますと、人が住んでいる市街地の近くでもクマが目撃されていることが分かるかと思います。
藤井さん、このマップ見てどう思いますか?
(藤井氏)
市街地ですからね、出合わないようにするっていうことが一番大切なんでしょうね。
(澤井アナ)
そうなんです。では、その出会わないためにどうすればいいのかというのを見ていきましょう。
・山に入るときは鈴やラジオなどで音を出して、自分の存在をクマにアピールすること
・生ゴミは必ず持ち帰ること
・クマの活動が活発な早朝や夕方に山に入ることを避けること
本当にまずは出会わないことが第一です。そして、もしクマに遭遇してしまった場合どうすればいいのか。
・ケース1 50メートル以上クマと離れている場合はまず落ち着いて音を立てずにクマと反対側へ逃げるようにしましょう
・ケース2 距離が近かった場合、刺激しないよう落ち着いて背中を見せずに後ずさりをしてクマから離れます 背中を向けて逃げてしまうと追いかけてくる習性があるということです。
そして、万が一遭遇してしまった場合は、窪地などに腹ばいになり、両手を首筋の後ろで組んで両肘で顔を守る。こういった体勢です
まず一撃を加えられた時にどのようにして急所を守るか、皆さんこの姿勢を覚えておいてください。
