米記者夕食会襲撃、検察が情報提示 容疑者の行動の時系列と装備の詳細が明らかに

(CNN)米連邦検察は29日、先週末にトランプ大統領と閣僚らが出席したホワイトハウス記者協会主催の夕食会で、警備を突破して銃撃したとされる容疑者に関する詳細な情報を公開した。政府の見解として、これまでで最も手堅い内容の説明となる。検察側は、容疑者がシークレットサービス(大統領警護隊)隊員に向けて発砲したことを示す証拠も提示した。
司法省は、コール・トマス・アレン容疑者の勾留継続を求める検察側の主張をまとめた裁判所への提出書類の中で、銃撃事件の経緯に関する新たな詳細と、容疑者が所持していた武器に関する具体的な説明を公開した。首都ワシントンの連邦検察は、29日遅くに弁護団宛ての書簡で、弾道鑑定と現場検証に関するさらなる分析結果を提示した。
検察側は、容疑者を釈放した場合、地域社会の安全が確保できなくなる恐れがあると示唆。今回の事件では、幸運にも回避されたとはいえ、周到に襲撃を準備した容疑者によって人命が奪われ、甚大な被害が生じる可能性があったことを指摘した。
その上で検察側は容疑者の計画を「極めて危険な政治的暴力」と呼んだ。
アレン容疑者の弁護団は29日、検察側の主張の範囲に異議を唱えた。特に25日夜にシークレットサービス隊員に向けて散弾銃を発砲したという主張について、検察側が直接的な証拠を持っているのか疑問を呈した。
1カ月の準備期間連邦検察の発表によると、アレン容疑者の計画は夕食会の数週間前から始まっていた。トランプ氏が会への出席を表明してから1カ月ほど後の4月6日、アレン容疑者は夕食会に関する情報を調べ、開催予定の週末にワシントン・ヒルトンホテルに2泊の宿泊を予約したという。
裁判資料によると、襲撃4日前の21日、アレン容疑者はロサンゼルスからアムトラックの旅客列車でシカゴへ向かった。そして23日、ワシントン行きの別の列車に乗り換えたという。
裁判資料によると、シカゴからワシントンへの移動中、アレン容疑者はワシントンの新聞に掲載されたホワイトハウス記者協会主催の夕食会に関する解説記事を読んで時間を潰していた。ワシントンへの到着は24日。地下鉄でデュポンサークル駅まで行き、夕食会が開催されるヒルトンホテルには午後3時15分前後にチェックインしたという。
夕食会当日提出書類によると夕食会当日、アレン容疑者は何度か部屋を出て、携帯電話でトランプ氏のスケジュールを検索していた。
午後8時3分前後、アレン容疑者はホテルの部屋の鏡に映った自分の姿を撮影。体に武器を装着している様子を写した、と提出書類には記されている。
トランプ氏のスケジュールを最後にもう一度確認した後、アレン容疑者は8時15分前後にホテルの部屋を出た、と提出書類は述べている。約12分後、アレン容疑者はメディアのウェブサイトで、トランプ氏がホテルに到着する様子を映したライブ映像を見ていた。連邦検察官によると、8時30分に家族と友人、そして元雇用主の受信箱に、自身の意図を記したメールを事前送信するよう予約していたという。
襲撃裁判所に提出された書類によるとアレン容疑者は8時30分前後、トランプ氏と閣僚、報道関係者が着席していた宴会場の1階上のセキュリティーチェックポイントに近づいた。チェックポイントに到着する前に、容疑者は黒いロングコートを脱ぎ捨て、所持していた散弾銃を露(あら)わにしたという。そしてチェックポイントを駆け抜け、宴会場へと向かった。この慌ただしい様子は、銃撃事件当夜にトランプ氏が公開したビデオに捉えられていた。
裁判所に提出された書類によると、階段に向かって駆け出しながらアレン容疑者はショットガンを構えた。シークレットサービス隊員は、容疑者が「宴会場へ続く階段の方向に向けて散弾銃を発砲した」と報告した。書類には、当該の隊員と検問所にいた他の隊員が「銃声を聞いた」と記されている。
書類によると、隊員はアレン容疑者に向けて5発発砲したが、弾丸はどれも命中しなかった。アレン容疑者は地面に倒れ、間もなく逮捕されたという。
発砲に関して、アレン容疑者の弁護士はより詳細な情報を要請。ワシントンの連邦検察は29日夜、これまでに収集された証拠についてさらに詳しい情報を提供したが、政府の分析は現在も継続中だと付け加えた。
検察側によると、捜査官は散弾銃の薬室から使用済みの薬莢(やっきょう)を発見。「現場からは少なくとも一つの破片が回収され、それは単一の散弾と物理的に一致する」という。破片の位置は、アレン容疑者がシークレットサービス隊員の方向に向けて散弾銃を発砲した状況と符号すると検察側は付け加えた。
