「有原航平」が背信投球→2軍降格の根本的な理由 栗山CBOのお気に入りだが、「“新庄体制”にまったくフィットしていない」
開幕前は、ソフトバンクと並ぶパ・リーグの二強との評価が高く、優勝候補の一角と評されてきた日本ハム。しかし、開幕からちょうどひと月が経った4月27日現在、11勝15敗、最下位とゲーム差なしの5位と予想外の低迷である。その原因のひとつが、リーグNO.1とも言われた投手陣の不調。中でも、ライバル・ソフトバンクから大枚をはたいて獲得した有原航平投手(33)の不調が際立っている。2年連続最多勝投手に何があったのか。
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最大の誤算
優勝候補と目されていた日本ハムで最大の誤算が、ソフトバンクから6年ぶりに電撃復帰した有原航平だ。今季5試合登板で1勝4敗、防御率は実に8.23。4試合で5失点以上を喫し、生命線の制球力も安定しない。

大きな不安を残すのが、昨年までチームメートだったソフトバンク戦の登板だ。敵地・みずほPayPayで開幕3戦目の先発登板を託されたが、6回10安打7失点の乱調。本拠地・エスコンフィールドで4月12日の再戦でも5回9安打6失点と痛打を浴びた。有原の課題は被打率.326と打ち込まれている左打者だ。昨年の被打率も右打者は.226に対し、左打者が.276と苦手にしていた。
「左打者への決め球はチェンジアップ頼みで、ソフトバンクはその点を把握している。2度の対戦では左打者を並べて攻略していました。正捕手の田宮裕涼のサインに首を振る場面が目立ち、呼吸が合わないことも気になります。変化球でかわしながら苦心してリードしていますが、カウントを悪くして甘く入った球を痛打されている。ソフトバンクで2年連続最多勝を獲得した実績を評価して、日本ハムでも活躍を計算されていますが、そんなに簡単な世界ではない。有原の昨年の防御率3.03はリーグ11位。14勝で伊藤大海(日本ハム)とタイトルを分け合いましたが、打線の援護と鉄壁の守備に救われた側面が大きかった。打たせて取るタイプの投手ですが、日本ハムは守備が固いとは言えない。このままだと正直厳しいと思います」(スポーツ紙デスク)
巨人が最有力かと
有原は昨オフにメジャー再挑戦の意思があることが報じられ、契約保留選手名簿から外れる形で自由契約選手として公示された。ソフトバンクが慰留に努めたほか、巨人と日本ハムが獲得に動いた。ソフトバンクOBは「巨人に移籍すると思っていました」と明かす。
「有原が日本ハムのフロントと良好な関係を続けていることは知っていましたが、自分が一番力を発揮できる環境でプレーするタイプだと感じていたので、巨人かなと。ソフトバンク時代にバッテリーを組み、絶大な信頼を寄せる甲斐拓也がいることが大きい。33歳とベテランの域に入ってきますが、チームを引っ張るタイプではないので、選手の年齢層が高く、他球団から移籍した選手が多い巨人はなじみやすいと感じました。日本ハムは古巣ですが、新庄監督の下で若返りが一気に進み、6年前に一緒にプレーした選手が少ない。劣勢と見られた日本ハムが獲得に成功したのは驚きでしたね」
有原は日本ハムに愛着が強かったのだろう。日本ハムにしても、戦力として大きなプラスアルファになるだけでなく、宿敵のソフトバンクの戦力を削ぐ狙いもあった。4年総額20億円プラス出来高という破格の条件提示をしたことが獲得レースを制した要因となったことは間違いない。V奪回の救世主として期待が大きいが、日本ハムの元コーチは懸念を口にする。
「栗山英樹CBOは有原、西川遥輝と自身が監督だった時に主力だった選手を呼び戻しましたが、今の新庄体制にフィットするかは疑問です。西川はヤクルトを自由契約となり、引退危機の中で栗山さんが手を差し伸べている。新庄監督の指令で打撃フォームを大幅に改造しましたが、球団とすれば戦力として計算しているというより、復活したら儲けものという感覚でしょう。ただ、有原の場合は事情が違います。大枚をはたいてライバル球団から獲得している。伊藤と共にダブルエースと目されていますが、先発陣は北山亘基、達孝太、加藤貴之、細野晴希、福島蓮、中継ぎに配置転換された山崎福也など能力の高い投手がそろっている。栗山さんが監督だったら復調を信じて起用し続けると思いますが、新庄監督はシビアです。有原がこのまま調子が上がらなければ先発ローテを剥奪することがあり得ます」
26日のオリックス戦(京セラ)でも、3回1/3で7安打8失点と大乱調。ついに登録が抹消され、2軍調整となった。
悠長なことは言っていられない
昨年の日本ハムは、規定投球回数に到達した投手が伊藤と北山の2人のみ。登板した後に登録抹消する「投げ抹消」を積極的に使い、登板間隔を空けて万全なコンディションでマウンドに上がった投手たちが好投を続けた。23完投は12球団で断トツトップ。先発防御率2.56もソフトバンクに次ぐ2位と安定していた。ところが、今年は伊藤、有原が大量失点を喫する登板が続き白星を重ねられない。
「他球団から見れば、WBCで精彩を欠き、シーズンに入っても本調子でない伊藤や直球が走らずに苦しい投球になっている有原より、他の投手が登板した方が厄介でしょう。新庄監督の特色は徹底した実力主義です。今までの実績は関係なく、熾烈な競争でチーム力が上がってきたのに、結果を出していない有原を特別待遇し続ければ、選手たちの士気に影響します。例年春先に調子が上がらないスロースターターであることを考慮しなければいけませんが、エース格として獲得した投手なので悠長なことは言っていられません」(日本ハムOB)
まさかの2軍落ちとなった有原だが、巻き返すことができるか。日本ハムの命運を握る存在であることは間違いない。
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デイリー新潮編集部
