先週1年ぶりに、衆参両院の議長や各党の代表者らが参加して、「安定的な皇位継承」に関する協議が行われた。

【映像】淡いラベンダーのセットアップ姿の愛子さま(実際の映像)

 つまり、天皇の地位を将来にわたって安定的に受け継いでいくための協議で、背景には皇室をめぐる2つの問題がある。

 1つは、女性皇族が結婚して、皇室を離れることによる「皇族の減少」。もう1つは「皇位継承の安定化」だ。現在資格を持つのは、父方に天皇の血を引く「男系男子」に限られ、秋篠宮さま(60)、悠仁さま(19)、常陸宮さま(90)の3人のみ。次世代の担い手は悠仁さましかいない状況で、これらの問題を改善するために、国会では皇位継承や皇族に関するさまざまな事柄を定めた「皇室典範」の改正が議論されている。

 安定的な皇位継承のためには、皇室典範の何をどう変えるのか。『ABEMA Prime』では、「そもそも皇室とは」から、専門家に話を聞いた。

■皇族とは「何をする職業」なのか

 そもそも“皇族”とは、どのような立場なのか。元宮内庁職員で皇室解説者の山下晋司氏は、「皇位継承のスペアというか、天皇家に養子に入る人たちなど、周りを固める人々だ。“公務”の概念は明治以降の話で、戦時中は『銃後の備え』として、男性は戦争に、女性は医療などで応援する役割を担った。戦後もそれを踏襲して、式典のグレードを上げる役割を担っている」と説明する。

 皇室史学者の倉山満氏は、「初代は本当にいたかわからないが、神武天皇だと言われている。神武天皇の先祖は、古事記や日本書紀に出てくる神様だ。その子孫が起源となり、悠仁殿下まで1本の糸でつながっている。これが男系で、昔の言葉で『万世一系』と呼ばれ、悠仁殿下は神武天皇から74世にあたる」と話す。

 歴史上には女性天皇も存在したが、山下氏によると、「夫婦で天皇をしている方がいて、どちらの子どもでもある方はいる。女性天皇の子どもが皇位に就いていないことはないが、就いていても父も天皇なので、男系だった」という。

■皇室典範とは

 「皇室典範」とは、天皇の即位・皇位継承の順位・皇族の範囲などを定めたものだ。第1条では「皇位は皇統に属する男系男子が継承する」、第12条では「皇族女子は天皇および皇族以外と結婚した際は皇族を離れる」と規定されている。

 倉山氏は「男系男子と法律で決まったのは明治からで、女帝は例外的に江戸時代に2人だけいるが、慣習的には奈良時代から禁止されていた。女性は結婚によって、一般人から皇室に入れる。ただ一般人の男子で、皇族になった人は1人もおらず、天皇にもなれない。どれだけ権力や財力があっても、天皇家は乗っ取れない。日本は天皇の国であり、一番強い人になっても、一番偉い人にはなれない」と語る。

 山下氏は「万世一系の王朝として『男系でしか見てはいけない』という考えがある。『女性皇族が一般男性と結婚した場合、王朝が変わる』と言う人もいるため、どう捉えるかだ。父系社会で考えると、違う家系から人が来れば、家も変わる。そのため『本来の天皇ではなくなる』という考えの人もいる。それが正しいかどうかだ」と、認識の違いについて触れた。

 天皇家に「継がない」という選択肢はないのか。そう問われると、「憲法の規定では、皇室の方々は“飛び地”として、一般国民が持つ基本的人権が制約されている。宗教の自由や職業の自由がなく、国民がそうしてもらっていることをどう考えるかだ」としつつ、自身の立場として「皇室はロボットではなく、生身の人間として見るべき」との考えを示した。

■アレン様「ご本人たちの意思は…」

 国会では現在、皇族の人数を確保するために、2つの案が議論されている。まずは「女性皇族が結婚後も皇室に残る」というもので、もう1つは「旧宮家の男系男子を養子に迎える」といった案となっている。

 1つ目の案について、山下氏は「『皇位継承に結びつけないよう、子どもは皇族にすべきでない』との意見が大きい。立憲民主党などは『皇族にすべきだ』と言うが、大勢は『皇族ではない』だ」と解説する。

 一方で「例えば愛子内親王殿下が結婚されて、皇室に残るとすれば、一般人であり公務をしない子どもに対して、国民はどう思うか。そういう状況は男系維持派にとって怖いのではないか。相当譲歩した結果だと思うが、将来につながる話ではなく、その場しのぎだ」とも述べる。

 “大物マダムタレント”のアレン様は、「外野が『跡継ぎが』『継承が』と言っているが、本人たちの意思が一番重要に思ってしまう。外野に決められてしまう人生に感じる」といった感想を抱いた。

 そして、「いつかシステムがキツくなるときが来る。私のように皇室のことをよく知らない20〜30代も多い。今後は『本人の自由に生きさせてあげればいい』という感覚の人が増えるだろう。生まれた瞬間からプレッシャーがある生き方は、時代と合っていないと思ってしまう」との認識を示した。

(『ABEMA Prime』より)