櫛渕万里氏

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 れいわ新選組の櫛渕万里前衆院議員に雇われていた“幽霊公設秘書”X氏はいったい何者なのかーー。この新疑惑は既に一部マスコミの間で駆け巡っており、警視庁が関心を寄せているという情報も出回っている。(前後編の後編)

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【写真】17年前、民主党ブームに乗って初当選。「美人議員」ともてはやされていた頃の櫛渕万里氏

櫛渕氏の夫の「ビジネスパートナー」

 前編【れいわ新選組に新たな「秘書問題」が浮上 大石晃子氏の“元相棒”櫛渕万里前衆院議員の公設秘書は地元でも国会でも見かけない「幽霊秘書だった」】からの続き

 櫛渕事務所の内情に詳しい事情通が、X氏の“本業”を明かす。

「来日する中国人向けに、就労や留学のサポートや住まいの紹介、日本人との縁組などを支援する会社を経営している社長です。もともとこの会社は櫛渕さんの夫とX氏の父親が立ち上げたNPO法人が前身で、現在はX氏と父親が経営している。つまりX氏は櫛渕さんの夫のビジネスパートナーなのです」

櫛渕万里氏

 前編で伝えた通り、櫛渕氏の夫は中国人である。

「天安門事件をきっかけに来日した民主活動家で、ピースボートの活動を通して櫛渕さんと知り合ったと聞いています」(同)

 X氏の会社は豊島区内に2つの関連NPO法人とともにあった。登記簿謄本を調べると、櫛渕氏の夫は現在の役員には入っていなかったが、一つのNPO法人の設立メンバーに名を連ねていた。

 オフィスを訪ねると、X氏の父親がいたが、事務員らしき女性が「彼は日本語が話せないので私が対応します」と取材に応じた。

「クシブチさん? 知りません」

 女性に「X氏はこの会社の社長なのか」と聞くと「はい」と答え、代表取締役社長と書かれたX氏の名刺を持ってきてくれた。

「うちは中国人専門の会社で、就労ビザや留学ビザの手伝いや、不動産の紹介、結婚の斡旋などをしています。私は2年前から働いていますが、Xはずっと社長です。毎日いるわけではないですが、仕事の予約が入ればやってきます」

 続けて「櫛渕万里という国会議員の秘書をやっていたことは知っているか」と尋ねると、

「クシブチさん? 知りません。社長が国会議員の秘書をやっていたかどうか…? 何もわからないです。最近、いきなり訪ねてきて同じことを聞いてくる人が多いんですが…」

 女性が言う「同じことを尋ねてくる人」は、社会部の記者たちである。実はこの話はすでに一部メディアの間で出回っており、警視庁も関心を寄せていると言われているのだ。

「もし本当に勤務実態がなかったならば、秘書給与を詐取していた疑いが出てきます。すでに新潮が報じている組織的詐取疑惑よりもわかりやすい構図なので、“山本代表よりもよほどヤバいのではないか”と言われています」(社会部記者)

櫛渕氏は文書で「完全否定」

 名刺に書かれていた携帯番号に電話すると、X氏が出た。櫛渕事務所で勤務実態がなかったのは事実か問うと、X氏は慌てた様子で、「ちゃんと働いていました。今取り込み中なので失礼します」とすぐに電話を切ってしまった。

 党内では、X氏が第二秘書から外れたタイミングについても疑いの目が向けられている。東京地検特捜部が「日本維新の会」の石井章参院議員による秘書給与詐取事件を立件したのは昨年9月だが、その翌月に辞職しているからだ。

 党内の事情通はこう話す。

「ヤバいことをしていた自覚があったということではないか。最近、櫛渕さんが警察やマスコミの動きを警戒して、体調不良を理由に参加予定のイベントを欠席を重ねている。4月9日に開かれた臨時総会にも姿を見せませんでした」

 はたして櫛渕氏は疑惑にどう答えるか。携帯に電話したがつながらず、事務所を訪ねるも不在。質問状を送ったところ、党を通して文書で回答した。幽霊秘書疑惑について次のように否定した。

〈第二秘書であったX氏は、2008年の民主党時代から櫛渕万里の秘書を担当しており信頼をおいてきた人物です。X氏に秘書としての勤務実態はあり、指摘されるような事実は一切ありません。秘書給与が事務所に還流されていることもありません。なおX氏の写真入りの議員秘書身分証明証とされているものは民主党時代の私設秘書登録時の期限切れの通行証であり返却の規定がないものです。れいわ新選組の公設第二秘書在任中のものはX氏本人が所持しておりましたが既に衆院事務局に返却済みです〉

 兼業届については、〈櫛渕事務所の公設第二秘書就任当時に都内の不動産会社勤務の兼業届けを提出した〉と回答。櫛渕氏の夫とX氏の父親は友人であり、現在、櫛渕氏の夫は経営には一切関与していないとした。

 X氏の公設秘書在職は 22 年 8 月から 25 年 9 月までだったとし、維新議員が摘発された秘書給与詐取事件が引き金で辞めたのではないか、という質問に対しては、〈X氏が第二秘書を辞めた理由は、本人の一身上の都合によるものであり、ご指摘の事実とは一切関係ありません〉。捜査当局の動きについては〈具体的に存じ上げておりません〉と回答した。

 しかし、複数の事務所関係者、支持者が、国会周りや地元に「いなかった」と口を揃えているのだ。いったいX氏は社長業をこなしながら、どこでどのような秘書業務を行なっていたのか。やましいことがないならば、櫛渕氏には堂々と表に出てきて説明責任をはたして欲しいところだ。

 れいわ党本部にも櫛渕氏の疑惑について見解を聞いたところ、

〈現時点においては、本件についてお答えすることのできる党の見解はありません〉

 との回答だった。

 前編【れいわ新選組に新たな「秘書問題」が浮上 大石晃子氏の“元相棒”櫛渕万里前衆院議員の公設秘書は地元でも国会でも見かけない「幽霊秘書だった」】では、櫛渕事務所の内情に詳しい関係者の「重要証言」について伝えている。

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デイリー新潮編集部