売春規制…買う側の罰則は必要?性産業どう位置付け?鈴木涼美「『セクシー女優になって後悔したか』と聞かれるが、日によって違う」

先日、法務省で、売買春の規制のあり方を議論する検討会が開かれた。焦点は「『買う側』の罰則規定」で、性サービス従事者の支援団体関係者から意見聴取し、買う側への罰則を求める意見や、処罰対象とすれば買春行為が“アングラ化”し、問題が見えにくくなる見解が示された。
【映像】「買う側の罰則」に反対するセックスワーカー経験者(実際の映像)
そもそも現在の売春防止法では、「売る側」には処罰が科される一方で、「買う側」には科されない。そのため、歌舞伎町などで売春の客待ちをする、いわゆる“立ちんぼ”行為を行う女性ばかりが摘発され、男性客は処罰されない状況に「不公平ではないか」との声が上がっていた。
一方で、ある調査では、男性の48.3%、女性の4%が「性産業サービスを生涯で利用したことがある」と回答。諸外国に比べて高い数字だと分析されている。
ネットでは性風俗の存在自体に厳しい声もあるなか、『ABEMA Prime』では、「買う側」の処罰を含めた性風俗のあり方について考えた。
■「『AV女優になって後悔したか』と聞かれるが、日によって違う」
作家で元日本経済新聞記者の鈴木涼美氏は、「『セクシー女優になって後悔したか』と聞かれるが、日によって違う。歌舞伎町の女の子も、ホストなどで満たされた気分の時には、『昼職にはなりたくない』と思っているだろう。ただ、風邪をひけば働けない。つらい日には『社会が悪い気がする』と思うので難しい」と、みずからの経験を交えて語る。
そして、「臓器売買を楽しくやっている人は、ほぼいないだろうが、売春はそうではない。先日台湾でAV関連のイベントに参加したが、その中のどれくらいがAV女優を目指していた人か、経済的状況で選択肢がなく入った人かは白黒付けにくい。大きなグラデーションの中でも、色は変わっている」とした。
個人的見解としては「売春は非犯罪化した方が、人の目が届きやすくなる。労働組合や性病検査なども徹底できる。個人的には非犯罪化の方がいい」としつつ、「罰するなら、両方を罰するべきだ。現在は買う側に罰則がない。『なぜ少女たちは体を売るのか』という本は大量にあるが、『なぜ男たちは体を買うのか』はない。男にとっては自明なのかもしれないが、社会学者もそこを見ていない」と指摘する。
■性産業はどうすべき?
中道改革連合の前衆議院議員、酒井なつみ氏は、“買う側”に罰則を科すことに賛成の立場だ。「グラデーションの例えはわかりやすい。前向きにとらえられる時もあれば、トラウマを抱え、うつ病になる女性もいる。そうした人々をなくすために何ができるかを、政治は考えないといけない」。
またセックスワーカーの扱いについては、「声を上げた時に二次被害にあうなどがないように、権利は保護しないといけない。現状で働いている人の人権は守られるべきだ」とした。
性産業はどうすべきなのか。鈴木氏は「西川口のように、トップダウンで一気になくしたこともあった。歌舞伎町も規制が厳しくなったが、その先はどの程度をイメージしているのか。強制売春と自由売春の切り分けは難しく、『見えない意思が働いている自由売春』や『最初は強制だったが、その後は誇りを持っている売春』もある。私はAV女優と同じくらい新聞社に搾取されていたと思う」との考えを示す。
セックスワーカーの立場から買う側の処罰に反対だと主張する「SWASH(スウォッシュ)」代表のげいまきまき氏は、「仕組みづくりが大事だ。つながりがあるとないとでは全然違う。売春防止法をアレンジして、困難女性支援法が作られたが、セックスワーカーが使いやすい状態にはなっていない」との実態を明かす。「私たちは『働くのがいい』と思っているのではなく、『どうすれば個別の問題に伴走できるか』を考えている。1人ではできないことはたくさんある」。
(『ABEMA Prime』より)
