「いつからこんなに腐っちゃうの」鈴木貴子氏、冤罪事件めぐる検察の証拠隠しや改ざんに苦言

再審制度を見直す刑事訴訟法改正の政府案をめぐり自民党が紛糾。国会への法案提出は異例の先送りとなった。自民党広報本部長を務める鈴木貴子衆院議員がABEMA的ニュースショーに出演し、検察に対して苦言を呈した。
4月6日、自民党本部で実施された法務部会と司法制度調査会の合同会議では、法務省がまとめた再審制度の見直し案に異論が相次ぎ、会議が紛糾。多くの自民党議員が反発するなどし、国会への提出は先送りとなった。
法制審議会の「再審制度見直し案」では、裁判所が請求を速やかに調査し、一定の要件で棄却する「スクリーニング(選別)」。再審請求理由と関連・必要性があれば、検察が保有している証拠を裁判所が開示するよう命令できる「証拠開示」のルールを新設した。その一方、その範囲は限られ、報道機関に見せたら罰則などの「証拠の目的外使用禁止」の規定もある。検察抗告、不服申し立て権限は維持となっている。
この見直し案について元大阪地検検事の亀井正貴弁護士が解説する。「法務省のこれまでのやり方なのだが、改正しなければいけない局面で譲歩したら、別のものを取ろうする。そんな本能がある。行政には」
「スクリーニングは要するに問題となる事案をはねつけると。はねつけることでちゃんとした事案はちゃんとやっていくということなのだが、今の運用でもやれているので果たして必要なのかと個人的には思う」
「証拠の目的外使用禁止は 原則的に刑事訴訟法に規定している。検察官から開示された証拠は自分で法益防御のためだけに使うのであって、他の人に見せたり、マスコミに流して世論を喚起することをしてはいけないということ。この法制の枠組みの中で行くなら再審法もそれでいくべき。そこを再審法はまったく新しい観点で作ろうとしている。だから本来法務省側、法務検察の考え方と、これを推進しようとしている日弁連と運動の方々とか、議員の方々と議論がかみ合うはずがない。全然次元の違う話なので。再審法を一から作り直そうという考え方は法務検察にはない。ただ、その法律を議員立法で作ろうと思ったら作れるわけですから。だから議論を積み重ねてお互いを説得しあっていくという次元の話ではなくて、立法側がやりきるかどうかの話だと思う」
鈴木氏は「証拠はそもそも論として、誰のものかと。あたかもいま検察当局のものかのように、だからスクリーニングであれ選別であれ、そもそもこれ、国民の税金、血税を投じて証拠の収集もしているわけで、公共のものだという観点に立ったときに、本来であればもっと証拠というのは、つまびらかに出していくべき」と主張。
「これまでの再審、実際の冤罪事件でも、改ざんもあれば、ずっと証拠が存在するのに、わかっていながらずっと隠してきてようやく出てきた。福井事件なんかもそうですよね。ああいったものを考えたときに、本当に検察は……」と苦言を呈すると、亀井弁護士に「彼らだって最初入ったときは崇高な理念とともに入ってきたはずなのに、いつからこんなに腐っちゃうんですかね。公益の代表者というのをなぜ忘れちゃうんですかね」と問いかけた。
亀井氏はまず「目的外使用禁止は刑事訴訟法にあるので、刑事訴訟法の基本法にあるので、変えるんだったらそこを変えないと駄目。だからこそを変えるかどうかという論点の問題」と回答。
続けて「いま検事というのは昭和の検事と平成の検事と令和の検事で、だいぶ傾向が違う。私は昭和の検事なので、もともと悪いやつを捕まえていくということだけの発想で入っているから、経済的に儲けようとか安定とかをまったく考えてなかった。現場の人間はそう。ただこれが決裁官、上に上がっていくにしたがって組織運営とか組織の保持とかという発想がどうしても出てくる。上からそういう風に教育されていく」と説明。
「組織維持していくことと『法的安定を維持して、秩序を維持して被害者を守るのは自分たちである』という発想がどうしても出てきてしまって、それが組織論に反映されることによって、なかなか変えていくのが難しい」と続けると「いまやられるのであれば、変えていくのを考えても仕方がないから、もうパワーで立法していくということしかないと思う」と語った。
(『ABEMA的ニュースショー』より)
