韓国の李在明(イジェミョン)大統領=3月4日/Jam Sta Rosa/Pool/Reuters

(CNN)韓国の李在明(イジェミョン)大統領がSNSに投稿した動画をめぐってイスラエル政府が強く反発し、SNSで応酬を繰り広げている。李大統領が投稿したのは、イスラエルが占領するパレスチナ自治区ヨルダン川西岸で、イスラエル兵が遺体を建物から突き落とす場面をとらえた2024年の動画だった。

李大統領は10日、「これが事実かどうかを確認する必要がある。もし事実であれば、どのような措置が取られたのか解明すべきだ」とX(旧ツイッター)に投稿した。

その上で、戦争中の殺人、ホロコースト、さらには1910年〜45年の日本による韓国の植民地支配下における女性の性奴隷の間には、「何の違いもない」と述べている。

これに対してイスラエル外務省は11日、「イスラエルのホロコースト追悼の日の前夜にユダヤ人虐殺を矮小化するなど、韓国の李在明大統領の発言は容認できず、強く非難されるべき」とXに書き込み、「どういうわけか」李大統領がわざわざ「2024年の出来事を掘り起こし、さも時事ニュースであるかのように見せかけた偽アカウントを引用した」と批判した。

イスラエル外務省はこの出来事について「イスラエル兵が直接的に生命を脅かされる差し迫った状況下」で起きたと述べ、「2年前に徹底調査を行って対処した」としているが、どのような結果になったのかは明らかにしなかった。ただ、「大統領、投稿する前に必ずチェックを」と付け加えている。

実際のところ、李大統領は別の投稿で、これは24年9月に起きた実際の出来事で、米国が非難していたと指摘していた。

「国際人道法はいかなる状況であれ順守しなければならない。人間の尊厳もまた、妥協を許すことなく最優先に尊重しなければならない」と李大統領は強調している。

CNNの24年の報道によると、ヨルダン川西岸ジェニン近郊では同年9月19日、複数のイスラエル兵が複数の遺体を建物から突き落としたと思われる様子を住民が撮影していた。

この日イスラエル国防軍は、同地で「対テロ作戦」を行って戦闘員4人を殺害したと発表。問題の映像については「国防軍の価値観とは相いれない深刻な事案」と位置付け、調査を行っていると説明した。

イスラエルに対しては、パレスチナ自治区ガザ地区の戦闘やイスラム教シーア派組織ヒズボラを標的とするレバノン攻撃をめぐって国際社会の批判が強まっている。しかし欧州諸国に比べると、東アジアの国の首脳がこれほど公然と批判の声を上げることはまれで、韓国はこれまでイスラエルと良好な関係を保っていた。

李大統領は11日、自身の発言に対するイスラエル外務省の反応を共有し、「絶え間ない人権侵害や国際法に違反する行為に苦しみ、闘っている世界中の人々の批判を一度たりとも顧みようとしない者には失望する」「自分が苦しんでいる時は、他者も同じくらい深くその痛みを感じる」と書き込んだ。

その数時間後、韓国外務省は、イスラエル政府が李大統領の発言の「意図を誤解した」として遺憾の意を表し、李大統領の発言は「特定の問題に関する意見というよりも、普遍的な人権に関する自身の信念の表れ」だったと釈明。ホロコーストの犠牲者には「深い哀悼の意」を表するとした。

しかし李大統領は12日の投稿で、「各国の主権と普遍的な人権は尊重しなければならない。侵略戦争は否定しなければならない」と改めて強調し、「尊敬は、尊敬を通してこそ得られる」と言い添えた。