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2016年の初開催からちょうど10年

4月10〜12日に幕張メッセで『オートモビルカウンシル2026』が開催中だ。今年で11回目となり、2016年の初開催からちょうど10年となる。

【画像】イタルデザインが出展!初代NSXをオマージュした2代目ベースのレストモッド車両 全29枚

筆者はスケジュールが合わなかった年が確か1回だけあったが、基本的には毎年、取材に訪れている。ということで10年も経ったことは(部外者ながら)感慨深いものがある。主催者に最大限の敬意を表したいことは、コロナ禍も乗り越えて、こうしてイベントを続けていることだ。


オートモビルカウンシル2026に登場した『イタルデザイン』のブース。    山田真人

今回は開催前に行われた概要説明の会見にも出席し、そこで伝わってきたのは『次の10年への布石』であった。

ホームページなどでお気づきの方も多いかと思うが、今年から新たなキービジュアルと、『車ともっと恋をしよう』というキーメッセージが採用されている。その狙いは、若者、女性、ライト層といった、これまでイベントを知らなかった人たちへの訴求だ。

昨年は3日間で約4万5000人の来場者を集めたが、今年は5万人を目標としているという。

ということで、ユーザビリティ改善と海外からのチケット購入対応などを目的とした公式ホームページリニューアルを実施。チケットもデジタル化、多言語対応を行ったという。企画面では、レストモッドを新機軸のトライアルとして行っているのが特徴だ。

何度も話題に上がった展示車価格の高騰

会場を歩いていると、いつものように多くの知り合いと立ち話になるのだが、そこで何度も話題に上がったのが展示車価格の高騰だ。

オートモビルカウンシルは開催当初から車両にプライスボードを掲げる、車両販売を目的とした『品評会=カウンシル』であることを前提としてきた。そこに向けて各社が選りすぐりの販売車両を持ち込むから、どうしてもイメージしているものより価格は高い傾向にあった。


文中では触れていないが、あまりに状態がよく驚いたアストン マーティン・ラゴンダ。1989年のシリーズ4。    山田真人

しかし今年はそれを飛び越えてきた。象徴的な例としては、1964年式ポルシェ904/8が18億円(!)で登場したことだろう。ボードの0を思わず3回数え直してしまったほど。

他にも1972年式スカイライン2000GT-R、いわゆる箱スカが3800万円を掲げていたり、会場の到るところで驚いた。筆者が個人的に好きなランチア・テーマ8.32が468万円で展示されていて、激安車に感じてしまったほどの状況だ。

しかしここで思い出して頂きたいのは、主催者が海外からの来場者を想定していること。為替の問題もあり、ここ数年のクラシックモデル海外流出はよく聞く話で、つまりこれらは国際的な価格、車両の価値というわけだ。

熟成感のある大人の社交場

また、今回感じたのは、出展者、来場者がイベントに慣れてきているということ。言い方を変えると、楽しみ方をわかった上で来場しているように見えるのだ。

チケット代は、例えば、取材日の当日券は1万1000円で、3日間通しのプラチナチケットは3万3000円と、いわゆるモーターショーとは金額帯がかなり異なる。


開催初日から『売約済み』となっているボードを何台も目にした。    山田真人

しかしそれもわかった上で、ここで多くの希少な車両を見られること、そして『熟成感のある大人の社交場』として多くの交流が生まれることに価値を見出しているからこそ、多くの来場者を集めるわけだ。

希少な車両と言えば例えば、速度記録車であるフィアット・アバルト・レコード・エンデューロ・ピニンファリーナの実車を見られるなんて、冷静に考えればとんでもないことだ。プロドライブが作ったレストモッド車両も初めて見たし、記事では紹介できていないが、イタルデザインが初代NSXをオマージュした2代目ベースのレストモッド車両を展示したのも驚いた。

というわけで個人的には、扱う車両の価格帯からすると、それでもまだチケットは安いように感じている。一般的な来場のハードルは高くなるが、この価格帯を購入できる層を対象とした大人の社交場とするならば、もっと高くていい。

その一方で、土日限定で学生を対象とした2000円のチケットも用意していることは見逃せない。そのあたりのメリハリは付けていいのではないか。

こうした価格設定の難しさは、他ならぬ主催者の悩むところであろうが、少なくとも、今年も十分に価値ある展示内容だと感じた。改めて主催者へ敬意を表したい。