熊本出身のパイロット 熊本地震から10年 復興へ向かう故郷の空を飛ぶ どんな景色が待っているのか
熊本地震の発生から4月で10年です。
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ある航空会社が、復興への思いを込めて熊本の空を飛ぶ遊覧フライトを計画しています。
提案したのは熊本出身のパイロットたち。
フライトに込めた思いを取材しました。
静岡や名古屋など中部地方を拠点とする航空会社フジドリームエアラインズ(FDA)。地方と地方を結ぶ、独自の路線戦略で全国に展開しています。
パイロットの菊川拓巳さん(33)と上村薫さん(33)は、2人とも熊本県出身です。
上村薫さん「本当に今日は揺れがトピックなので、揺れない方を選んでいこうかなと思っています」
この日は、朝から青森へのフライト。気象状況や風の流れを細かく確認し、入念な打ち合わせの後、機内へ向かいます。
菊川拓巳さん「まず、今日、自分たちが飛ぶ方向があちら側なので、あちらの雲がどこにあるかとか、雲の形とかを見て揺れるかどうかの目安にしていますね」
熊本の空を飛ぶ特別なフライトを
日々、様々な地域を飛び回る2人ですが、4月12日に熊本の空を飛ぶ特別なフライトを予定しています。
上村薫さん「熊本の方々に乗っていただけるので、そういう意味で思い出に残る楽しいフライトになれたらなっていう思いですね」
2人を中心に、熊本に縁のある人たちの発案から実現した、熊本上空の遊覧フライトです。
思いの原点には、10年前の熊本地震がありました。
大学で被災した上村さん
上村薫さん「4年ぶりくらいですね。奥と手前の2棟あるんですけど、奥が整備コースで、手前がパイロットコースの学生が当時いましたね」
熊本空港に隣接する、崇城大学の空港キャンパス。上村さんの母校です。
上村さんは10年前、この場所で熊本地震に遭いました。
震度7の揺れを2度観測した益城町。
その益城町にある熊本空港では、ターミナルの天井が崩落するなどして、全便が欠航となりました。
隣接する空港キャンパスも例外ではありません。
上村薫さん「1階の角部屋がミーティングの部屋で、そこで、地震に。同期11人と先生1人…」
2度目の地震の後はグラウンドに集まって…
1度目の大きな揺れの後はそれぞれの部屋で寝ましたが、2度目の後は、部屋に戻らなかったといいます。
上村薫さん「何かあってはいけないってことで、ここで、みんなで寝ましたね。みんなで各部屋の毛布を持って」
周りに倒れてくるものがないグラウンドに集まり、一夜をあかしました。
上村薫さん「冗談を言って笑い飛ばせるような雰囲気ではなかったんですけど、でもそうしないと、みんなが暗くなるというか。でも、なかなかそういうのも言葉が出ないような重たい雰囲気」
「みんなが不安で、誰かが口にすると不安が広がるので、みんなが我慢しているような状態だったのかなって思いますよね」
けがをした学生はいなかったものの、訓練は約1か月、中止になりました。
震災後に上空から見た熊本の姿は
再開後に上空から見たのは被災した熊本の姿でした。
上村薫さん「初めて自分が被災者になったので、そういった方たちの思いがすごく伝わりましたし、本当に個人としてやれることって全然なくて、誰か同期が隣に安全でいてくれればそれだけでいいのかなって思えましたね」
あれから10年。パイロットとなった自分が熊本のためにできることは何か?同じ熊本出身の菊川さんとともに提案したのが、熊本での遊覧フライトでした。
上村薫さん「セントレア(中部空港)から熊本空港に就航するタイミングと熊本地震から10年と、あとは熊本への恩返しがタイミングが重なってできればいいかなと思って、提案して。乗ってもらう人はもちろん、楽しんでもらいたい。他にニュースとかで見てる人たちにも何か。1つ明るいニュースが届けられるだけで違うのかなと」
10年経った今、熊本の空から見える景色は…
復興へと歩み続けるふるさと。どんな景色が待っているのか2人も楽しみにしています。
菊川拓巳さん「普段は景色を楽しむ余裕ってなかなかないので、自分たち自身も楽しみですね。阿蘇山もあれば天草とか、熊本城もありますし、いろいろな観光名所があるので、それを空から見て、熊本ってこんなにいいとこだなっていうのを再認識してもらえたらいいなってすごく思います」
上村薫さん「被災して、ブルーシートの景色を見て訓練して、10年経って、そこから変わった町の姿を見られるのは嬉しいですし、パイロットとしても会社としても、今後もっと熊本に貢献していけたらいいのかなと思います」
4月12日、ふるさとへの思いを込め、熊本の空を飛びます。
