人類を月面に着陸させる計画「アルテミス計画」の2段階目「アルテミスIIミッション」遂行のため、NASAは2026年4月1日に月でのフライバイを目的とした有人宇宙船の打ち上げに成功したと発表しました。4人の宇宙飛行士を乗せたオリオン宇宙船では有人宇宙飛行において初めてスマートフォンの使用が公式に認められており、特別改造版の「iPhone 17 Pro Max」が宇宙船内に持ち込まれています。

NASA’s Artemis II Astronauts Took iPhones Into Space - The New York Times

https://www.nytimes.com/2026/04/03/technology/iphones-artemis-nasa.html

NASA had to ‘reload’ Microsoft Outlook after Artemis II glitch | The Verge

https://www.theverge.com/science/906988/nasa-artemis-ii-microsoft-outlook-issue-fixed

NASAのジャレッド・アイザックマン長官は現地時間の2026年2月4日、アルテミス計画の宇宙飛行士らがスマートフォンを宇宙に持ち込むことを許可するとXへの投稿で明らかにしました。アルテミスIIミッションは宇宙船からさまざまな写真を撮影することを目的の1つとしているため、スマートフォンを使用することでより手軽に宇宙から写真を撮影できるようになります。

NASAが月面探査ミッション「アルテミス計画」の宇宙飛行士がスマートフォンを宇宙に持ち込むことを許可 - GIGAZINE



アルテミスIIミッションの開始から約4時間後、操縦席を見下ろす形で設置されたカメラが、「iPhoneを投げ渡す宇宙飛行士たち」を捉えて話題になりました。





報道によると、オリオン宇宙船にはiPhone 17 Pro Maxが持ち込まれたそうです。ただし、iPhone 17 Pro Maxは写真やムービーを撮影する目的で持ち込まれており、インターネットやBluetoothに接続したり、ゲームをプレイしたりその他アプリを起動したりすることはできないように特別に改造されています。iPhone 17 Pro Maxのほか、Nikon D5を2台とGoPro Hero 11を4台使用して写真や動画を撮影しています。

コロラド大学ボルダー校の研究機関であるBioServe Space Technologiesの助教で、アルテミスIミッションのペイロードに携わったトビアス・ニーダーヴィーザー氏は「宇宙船に特定のハードウェアを持ち込むことを承認するプロセスはかなり複雑で、時間がかかるものです」と指摘しています。ニーダーヴィーザー氏によると、このプロセスは通常「対象機器を安全パネルに紹介」「可動部品からガラスのように割れる可能性のある素材まで、機器の潜在的な危険性を特定」「そうした危険性に対処するための計画を策定」「その計画が有効であることを確認」という4段階のプロセスが必要とのこと。

Appleはメディアの取材に対し、アルテミスIIミッションにおけるiPhoneの承認プロセスには関与していないと回答しました。また今回のミッションは、iPhoneが軌道上およびそれより遠くで長期使用に適合した初めての事例となるそうです。実際に、民間のミッションでiPhoneが撮影や実験で宇宙船に持ち込まれたことはあるものの、NASAが宇宙飛行士にスマートフォンの持ち込みを許可したのは今回が初めてです。

また、司令官のリード・ワイズマン氏が管制センターに「Microsoft Outlookが2つあるのですが、どちらも動作していません」と報告したことがライブストリームで共有されました。アルテミス計画のフライトディレクターであるジャッド・フリーリング氏は「これは珍しいことではありません。宇宙ステーションではしょっちゅう起こります。ご存知のように、Outlookは特に直接ネットワークに接続されていない場合、設定に問題が発生することがあります。そのため、Outlookで彼のファイルを再読み込みするだけで、正常に動作するようになりました」と重大なトラブルではないと述べていますが、一般向けソフトウェアを宇宙環境で運用する難しさを示す一例を示しています。



今回iPhone 17 Pro Maxを宇宙船内に持ち込んだ事例は、写真や動画の撮影と共有をスムーズにしてより多くの景色を届けることができるだけではなく、市販デバイスを宇宙船内で使うことの第一歩として注目されています。今後のミッションでは、さらに柔軟で身近な機器の活用が進む可能性も期待されています。

なお、オリオン宇宙船から撮影された写真はNASAのウェブサイトで公開されています。公開されている写真データの中にはExif情報が残っているものもあり、以下の記事のトップ画像に使っている地球の全球写真はNikon D5で撮影されたものであることが分かっています。

月を目指すオリオン宇宙船から撮影された地球の写真たち - GIGAZINE