遠藤周作のピアノを一般公開 長崎市の文学館、製造終了のヤマハ製「軽やかで温かい音色」



「沈黙」で知られる作家、遠藤周作(1923〜96)が自宅のリビングで弾いたグランドピアノが4日、長崎市遠藤周作文学館(同市東出津町)で一般公開された。木目を生かした80年代製造のもので、遠藤と親交のあった都内の男性から寄贈された。市は館内の催しで活用していく。
市によると、ピアノは高さ1メートル、幅150センチほど。ヤマハ製で現在は製造が終了している。遠藤が知人のプロピアニスト内田光子さんに勧められて購入し、趣味でモーツァルトを奏でていたという。
遠藤から譲り受けた都内の旅行会社会長、古木謙三さんが3月、市に寄贈した。古木さんは「お金もうけだけでなく、文化活動をした方がいい」と言われ、社内で開くコンサートで活用してきたという。
一般公開に合わせ、文学館では実際にピアノが演奏された。遠藤作品のファンという諫早市日の出町の高校非常勤講師、佐藤まどかさん(42)は「軽やかで温かい音色がすてき。手入れが行き届き、大切にされてきたのだと感じた」。古木さんは「受け取りから四十数年、先生が大切にしていたピアノが戻り、安堵(あんど)している」とのコメントを寄せた。
(鈴鹿希英)