27歳ルーキーが明かすプロテストでの“珍事件” 「実は、レンタルクラブでプレーしたんです」
【写真】やさしさ重視! 鳴川愛里の合格を支えた14本
JLPGA会員になって初戦といっても、張り詰めるような緊張感はない。「プロテストに比べたら緊張はないですね」合格率約3パーセントの狭き門を通過し、独特の緊張感から解き放たれて晴れ舞台に立つことができた。合格の要因の1つは、無頓着だったクラブの考え方を変えたこと。地元・岡山の腕利きクラフトマンのススメで、自分に合ったやさしい14本を選んだ。7番ユーティリティや9番ウッドも入れる。「高い球が打てるようになって、パーオン率は20%くらい上がった」と、今週も高い球でグリーンに止めることができている。昨年12月の新人戦からは、ドライバーを替えた。ピンの最新モデル『G440K』でロフト角は11.5度、シャフトは40g台。「すくい打つクセがあるのでハイロフトにしています。ロフトがある方が安心感があって上げようとしないので」。こちらもスパイスを加えて使用している。このようにクラブにこだわりを持つが、昨年のプロテストで今だから笑って話せる珍事件があった。「実は、レンタルクラブでプレーしたんです」有馬カンツリークラブでの2次予選。初日72位と出遅れたが、2日目に「68」をマークして、通過圏内の29位に浮上した。さらに順位を上げようとした3日目の朝、「車のカギがない」と紛失。真っ青になった。パターは部屋に持って帰っていたが、キャディバッグは車の中にある。専門業者を呼んだが、なかなかカギが開かない。スタート時間は刻々と迫ってくる。自分のクラブは諦めて、ゴルフ場に連絡。レンタルクラブの有無を確認し、準備をしてもらった。到着すると、ゴルフ場のレンタルクラブのほか、「使ってください」と従業員のクラブも並べられた。スペックを吟味し、やさしいドライバーやユーティリティなど9本を選び、自身のパターを加えて10本でスタート。初めてのクラブでも、前半の9ホールは1アンダーで回った。関係者がクラブを救出してゴルフ場に届けてくれて、後半は生命線ともいう7番ユーティリティやウェッジなど4本を加えてプレーした。パープレーにまとめて、この日は「71」。なんとか乗り切り、通過ラインを死守した。「自分のクラブがあるだけですごく安心感があった。ゴルフ場にいられるだけで幸せだなと思いました」。プレッシャーがかかる最終日は、新鮮な気持ちで「69」で回り、16位タイで最終へのコマを進めた。そしてプロテスト合格。「あの3日目があったから受かったと思います。ゴルフ場のみなさんにも感謝です。遠征中、クラブは部屋に持って帰ります(笑)」。今だから笑って話せる珍事件を乗り越えてつかみ取った、デビュー戦の舞台でもあった。(文・小高拓)
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