大谷翔平「サイ・ヤング賞」はあり得るか 「本心では受賞を望んでいるはず」でも“明言”を避けるワケ
WBCは準々決勝で敗退したが、大谷翔平(31)の挑戦は終わらない。3月27日に開幕戦を迎えた今季、最も期待されるのは「サイ・ヤング賞」の獲得だ。最高の投手に贈られる同賞は、大谷が唯一勝ち取ったことのない主要なタイトルである。受賞の可能性やいかに。
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二刀流の最終到達点
ジャイアンツとのオープン戦が行われた現地時間の3月18日、先発登板した大谷は時速160キロ超の球を投げ、絶好調ぶりを披露した。試合後、記者から「サイ・ヤング賞の準備はできているか」と聞かれると、こう答えた。
「イニングを重ねれば、賞に近づくのはもちろんだと思います。けれども、始めからそのために投げることはありません」

サイ・ヤング賞は勝利数や防御率、チームへの貢献度など総合的な評価で決まる。獲得するためには、メジャーが定める規定投球回数162イニングを満たさなくてはいけない。
スポーツ紙のメジャー担当記者によれば、
「大谷選手が“サイ・ヤング賞を狙う”と口にしたことはありません。これまでもたびたび水を向けられてきましたが、今季はできれば中5〜6日の登板間隔で投げたいという希望を述べるだけでした」
もっともシーズンを通してこの登板間隔を維持できれば、結果、162イニングを超えるのは確実だ。
「ゆえに大谷選手は、本心では同賞の獲得を望んでいるとみられています。これまで本塁打王や打点王などの打撃タイトルは総ナメにしてきましたが、投手としてはまだ頂点を極めていませんからね。サイ・ヤング賞は二刀流の最終到達点だといえるでしょう」(同)
打者としての貢献
であれば、なぜ大谷は同賞を目指すと明言せず、奥歯に物が挟まったような言い方をするのか。
メジャーリーグ研究家の友成那智氏の見解はこうだ。
「ドジャースは大谷選手に対して、ピッチングよりも打撃に力を注いでほしいと考えているはずです。目下、打線の中軸を担うムーキー・ベッツ(33)やフレディ・フリーマン(36)らが高齢となっており、下り坂だからです。大谷選手は、そんなチームに自身が何より打者として貢献しなくてはいけないことを、重々理解しているのだと思います」
フル稼働は不可能
また、強豪のドジャースは秋のポストシーズンに勝ち進むことが大前提だ。ワールドシリーズ3連覇を目標としており、戦いの本番は10月から。
MLBアナリストの福島良一氏が言うには、
「長いシーズン中、負担の大きい二刀流をフル稼働させることは不可能に近い。10月を万全で迎えるためには、事前に登板間隔を空ける必要が出てくるでしょう。無理して規定投球回数を超えようとすれば、体を壊すか、打撃に力が入らなくなってしまう」
実際、大谷は2022年のエンゼルス時代に自己最多の166イニングを投げたが(15勝9敗)、サイ・ヤング賞を逃し、本塁打数も34本と彼にしては物足りない結果に終わった。
「今シーズン、大谷選手の現実的な目標は3年連続で50本以上の本塁打を放ち、チームを3連覇に導き、自身は5度目のリーグMVPに輝くことです。その上で投手として2桁の勝利を記録できたらもう十分でしょう。ドジャースとの契約が満了となる7年後の39歳まで無事二刀流を務め上げてほしいと思います」(同)
とはいえ大谷は前人未到の記録を更新してきた。もしかしたらサイ・ヤング賞を取れるのではないかと期待させるところが、スーパースターたるゆえんである。
「週刊新潮」2026年4月2日号 掲載
