子どもは独立し、今のマンションには夫婦2人。固定資産税やリフォーム代を考えると「老後にこの家を維持する意味」が分からなくなってきました。年金だけで暮らしていくなら、築年数が古くなる前に売却したほうがよいのでしょうか?
築年数が進むと、見えにくい負担が増えやすい
固定資産税だけでなく「今後の修繕」を考える必要があります。修繕積立金は将来の大規模修繕に備えるもので、国土交通省は、修繕積立金を安定的に確保する重要性を示しています。
築年数が進むと、エレベーターや給排水管、共用部の改修など、居住者全体で負担する修繕費が発生する可能性が高まります。
「古くなる前に売る」は一理あるが、売却の手取りと代替住居をセットで見る
売却のメリットは、将来の修繕負担や大きなリフォームを回避できる可能性があることです。ただし、売っても住まいは必要なので、住み替え先の住居費が上がれば意味が薄れます。判断の順番は、今の住まいにこの先10年住む場合の固定費と修繕リスクを年額で見積もり、それと住み替え後の住居費を比べることです。
また、売却益が出るなら税金も絡みます。マイホームの譲渡は、一定の要件を満たすと譲渡所得から最高3000万円を控除できる特例があります。
この特例が使えると、売却の心理的ハードルが下がりやすいので、売る可能性があるなら早めに確認すると安心です。
年金生活での「維持する意味」は、広さではなく暮らしやすさで決める
住まいの意味は、資産価値だけではありません。通院のしやすさ、買い物動線、段差、災害時の安全性など、暮らしの負担を減らせるかが重要です。夫婦2人なら、広さよりも動きやすさが価値になります。
もし今のマンションが便利な立地で、修繕計画がしっかりしており、固定費が許容範囲なら、無理に売らずに住み続ける方がよいでしょう。逆に、将来の修繕負担が見えない、管理組合の運営が不安、固定費が年金を圧迫するなら、早めに住み替えを検討するとよいでしょう。
まとめ
築年数が古くなる前に売るという発想は、将来の修繕負担やリフォーム負担を避ける点で合理性があります。
ただ、焦って売ると価格で損をすることもあるため、判断は築年数ではなく、今後の固定費と修繕リスク、そして住み替え後の住居費の比較で行うのが安全です。税制特例も確認しつつ、暮らしやすさを軸に、年金生活に合う住まいへ整えていくと納得しやすい結論になります。
出典
国税庁 No.3302 マイホームを売ったときの特例
国土交通省 「長期修繕計画作成ガイドライン・同コメント」関連
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
