何度も断ってきた「脱ぎませんか」の誘いと、高級車1台分のギャラ「迷ったらやらない、それだけ」
岡元あつこインタビュー
テレビ朝日系深夜番組「トゥナイト2」でリポーターとして活躍する一方、グラビアアイドルとしても人気を博した岡元あつこ(52)。最も稼いだ頃は、写真集1冊で驚くほどのギャラを手にしたこともあったという。ただ、「脱ぎませんか」という最終的な誘いには、絶対に乗らなかったという。(全3回の第3回)【福嶋剛/ライター】
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【写真】限界セクシー…「トゥナイト2」時代の岡元あつこ。「美少女」だった小学、中学、高校、大学の頃も
グラビアとの出会いは、獨協大学法学部在学中当時の宣材写真がたまたま、カメラマンの目に留まったのがきっかけだった。
「私の写真がカメラマンさんに回っていて『写真集撮りませんか』って直接連絡がありました。水着も一度もやったことないし、めちゃくちゃ抵抗がありましたね。それで親にも内緒で練習がてらという気持ちで、週刊誌のグラビアを撮っていただいたら、『ヤングチャンピオン』の表紙と巻頭グラビアを飾ってしまい、それが電車の中吊り広告にも出たんです」

その中吊り広告を、父親の会社の人が電車内で発見した。「お嬢さんが載っていますよ」と報告を受けた父親の怒りは激しく、帰宅した岡元はグーで殴られた。
「最初は、そこまでグラビアをやりたかったわけではないんです。だけど自分がやったことを否定されるのがすごく嫌で、意地を張っていた部分の方が強かったのかも。うちの父は最後まで私のグラビアを1枚も直接見なかったと思います」
以来、父親とグラビアの話は一度もしなかった。岡元が芸能人として父親に認められたと感じたのは、NHKのラジオ番組を担当するようになってからだったという。
「やっぱり昔の人には、NHKのブランド力ってすごいんだなと思いました」
グラビアの撮影現場は、岡元にとって常に交渉の場であり、戦場だった。三角ビキニの幅(面積)から生地の透け感、修正の有無に至るまで、制作サイドと細部を巡って火花を散らした。
「写真集って、出版社側は『1ミリでも脱がしたい』、でもこっちは『1ミリでも脱ぎたくない』という攻防なんです。じゃあ三角ビキニの面積は何センチか、とか。ベージュは何も着けてないように見えるから、なるべくベージュにさせたがる。白は濡れたら透ける。レースは形がわかる。そういう細かい話し合いを、私自身が全部やっていました」
一貫したポリシー
脱ぎそうで絶対に脱がない――。デビューから一貫してそのポリシーは変わらなかった。信頼できる数名のカメラマンだけと仕事をし、少しでも怪しいと感じたら出版社に出向いてネガを全て確認する徹底ぶりだ。「見えそうで見えない」というギリギリのラインを攻める先駆けの1人でもあった。
「今振り返ると、何をそこまで頑張っていたのかなって……。写真集で喧嘩しなかったことは一度もないです。衣装もスタイリスト任せには一切しない。全部自分でチェックしていました。面倒な人だと思われていたかもしれませんが、それが自分を守るということにつながりました」
グラビアをやっていれば、誰もが一度は経験する「そろそろ脱ぎませんか」という打診。岡元はその魔のささやきを何度も断り続けてきた。しかも、その誘いは、決して露骨な形ではやってこない。いつも豪華な食事の場で、遠回しに始まったという。
「これまでの経験で『打ち合わせに行きましょう』と声をかけられ、高級レストランを指定された時は、だいたいピンとくるんです。超有名カメラマンを連れてきて、『このカメラマンとなら素晴らしい写真集が……』っていう言葉から始まり、決して『脱ぐ』というNGワードは相手も一切使わない。使う言葉は『自然な姿で』とか『とりあえず撮ってみて良かったら』とか。もう全部分かるんです。そういう時は、ちゃんとご飯をいただいて、『おいしかったです。ごちそうさまでした』と言って帰ります」
最初の写真集のギャラはサイパン撮影4日間で25万円。最も稼いだ時期は1冊でちょっとした高級車が購入できるくらいだったらしい。断り続けたオファーはそれをさらに上回るほどのギャラだったという。それでも最後まで断り続けた理由を問うと、答えはシンプルだった。
「迷ったらやらない、それだけです」
そして、こう続けた。
「全てにおいて迷うということは、何かに引っかかっているということですよね。もちろん、その選択が正解だったかどうかは分かりません。もしかしたら、引き受けていたらめちゃくちゃ儲けていたのかもしれない。でも、やっぱりやらなくてよかったと思っています。私はそれだけで稼ぎたくなかったですから」
後悔でも誇りでもなく、ただ自分の選択として受け止めているのだ。
「やりたいことしかやってない、ということですよね。結果的には。それでいいんじゃないのかなって」
同時代を駆け抜けたタレントの多くが業界を去っていくなか、岡元は今も現役の俳優として舞台に立ち続けている。
取材の最後、今後グラビアのオファーが来たらどうするかと問うと、即答した。「やりますよ」。そして笑いながら付け加えた。「ただしパンツは穿いて胸も隠します。あと修正禁止で!」。
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第1回【「トゥナイト2」で一世を風靡した52歳の今、年10本の舞台に立つ演技派俳優に…プライベートでは「思い切って再婚を決めました」】では、岡元が現在の活動やプライベートについて語っている。
岡元あつこ(おかもと・あつこ)
1973年、東京都出身。俳優・タレント。15歳より小劇場で俳優活動を開始。1996年よりテレビ朝日系深夜番組「トゥナイト2」の女子大生リポーターとして3年間出演。現在は舞台を中心に映画・テレビで幅広く活躍。映画「宮古島物語 ふたたヴィラ かんかかりゃの願い」が4月に都内で上映予定。舞台「可もなく不可もない戦争」(東京マハロ20周年記念公演)ほか出演予定。
福嶋 剛
ライター。1971年生まれ。TV局映像編集、ロケーションコーディネーター、音楽サイトの編集長、ニュースサイトの記者などを経験。ベテランアーティストや元アイドルのインタビューをはじめ、イベントの進行役などエンタメを中心に活動中。
