溶接技師が見た中国海洋石油設備スマート化の歩み

【新華社天津3月13日】中国石油大手、中国海洋石油集団(CNOOC)傘下の海洋石油工程が手がける天津スマート製造拠点にある研究開発工場では、搬送ロボットが資材をしっかりと持ち上げて両側の溶接ロボットの前にそれぞれ置き、溶接ロボットが所定のプログラムに従って精密に溶接を行っていた。
これは同社の主任電気溶接技師、劉海林(りゅう・かいりん)氏(48)とそのチームが開発した「スマート組立溶接一体型プラットフォーム」で、春節(旧正月)前に稼働を始めた。劉氏は「自動化プラットフォームの連携効果は良好で、時間配分も適切。効率は以前の手作業に比べ2倍に向上した」と語った。

海洋石油・ガス設備の溶接分野で20年余り経験を積んできた劉氏によると、海上では他の一般的な溶接とは異なり、揺れや深海の高圧、海水の浸食などの課題と向き合う必要があり、「溶接の継ぎ目を例にとると、ジャケットは海上で数十年にわたり風や波に耐え続ける必要があり、厚い壁の継ぎ目を1本溶接するだけでも、腕を2万回以上正確に動かさなければならない」という。
劉氏は海洋石油業界初の国家級技能大師工作室のリーダーとして、これまでに70件余りの技術革新を成し遂げ、高技能溶接工を延べ3千人以上育成するとともに、50人を技師および上級技師に導いてきた。
2024年10月に国内海洋石油・ガス設備業界初の「スマート工場」である海油工程天津スマート製造拠点が本格稼働を開始すると、劉氏は弟子たちに従来の溶接技術を教えるだけでなく、彼らが時代の発展に対応できるようにしなければならないと認識した。

劉氏とそのチームは25年下半期より「スマート組立溶接一体型プラットフォーム」の開発に着手した。メンバーの李景強(り・けいきょう)さんは「複数ロボットの協調で最も重要なのは『足並みをそろえる』ことで、わずかな軌道のずれでも組立溶接全体の品質に影響する」と語り、協調パラメーターの調整や設備の位置決めと制御システムロジックの最適化を繰り返した末、ロボットのシームレスな協調と精密な連動を実現したと振り返った。
同拠点の工場内では、巨大な溶接専用機が作業に「専念」している。そこでは溶接の火花こそ見えるものの、煙やほこりは見当たらない。また、第5世代移動通信システム(5G)や人工知能(AI)などの技術を活用する工場では、無人搬送車(AGV)や門型クレーンが主役になっている。劉氏は、溶接トーチを手に持つ時代からロボットを訓練する時代へと進む海洋石油・ガス設備製造スマート化の歩みを見届けてきた。これはまさに「中国製造(メード・イン・チャイナ)」が「中国智造(中国のスマート製造)」へと進化する時代の縮図とも言える。(記者/楊文)
