まさに次世代スバル・アウトバック! 新型EV『トレイルシーカー』は水平対向+AWDを彷彿させる動き
昨年秋に登場したソルテラとの違い
スバルの新型EV『トレイルシーカー』をいち早く雪上で乗った。
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場所は群馬県北部のクローズドエリア。本来は自転車で利用するために設計されたアップダウンのある幅員が狭いワインディング路だ。現地の資料にはサーキットと表現されている。

スバルの新型EV『トレイルシーカー』にいち早く雪上で試乗。 スバル
ここでは昨年秋にマイナーチェンジした『ソルテラ』を試乗したので、トレイルシーカーとの走行感の違いをしっかり受け止めることができた。
時期的にソルテラはドライ路面での走行。それでも最新スバルEV走行体験のベースとしてソルテラを理解していることが、トレイルシーカーに対する正しい評価につながった。
まずは外観から見ていこう。筆者はジャパンモビリティショー2025でのスバル・ブースではもちろん、同ショー開催前にスバル開発本部がある群馬県太田市でトレイルシーカーの実車を見ている。
そうした屋内展示の状態と比べて、今回の屋外展示でしかも雪景色の中で見るとトレイルシーカーの本質であるアドベンチャーらしさがはっきり分かる。フロントはボディをしっかりガードするラギッドな表現、リアはワイド感を演出し、リアランプと発光する『SUBARU』レターマークが印象的だ。
外観の印象をひとことで言えば、『アウトバックっぽい』のだ。それもそのはず、トレイルシーカーは欧州市場で『Eアウトバック』を名乗る。日本市場ではアウトバックという名称が消滅したが、トレイルシーカーはまさに次世代アウトバックなのだと今回、改めて認識した。
大きくなっても大出力で速い
ボディサイズは、全長4845mm、全幅1860mm、全高1670mm。これはアウトバックと比較すると、全長で25mm短く、全幅で15mm短く、そして全高は5mm低い数値。
つまり、ちょっと小ぶりなのだが、ボディデザインの全体感としてはアウトバックよりも大柄に感じる。最大の違いは、フロントオーバーハングが107mm短いことだ。

アウトバックと比較すると全長で25mm短く、全幅で15mm短く、全高は5mm低い。 桃田健史
一方、トレイルシーカーはソルテラに対しては全長が155mm長い。これはリアオーバーハングの拡大によるものだ。これにより、荷室容量はソルテラより181L増えて633L。アウトバックと比べても72L大きい。
では、車内に乗り込もう。基本的な意匠はソルテラと共通だ。進行方向に向かって横イチの水平基調デザインで足元スペースが広い。ブラック内装での合皮皮シート、またブルー内装でのナッパレザーの本革シートが選択肢となる。
次にパワートレインだが、FWD(全輪駆動車)ではシステム出力は165kWでソルテラと同じ。電池容量も74.7kWhで同じだ。
スバルの真骨頂であるAWD(四輪駆動)では、リアモーター出力をソルテラの88kWからほぼ倍増して167kWに拡大。システム出力ではソルテラ比で28kW増の280kW(380ps)とした。
AWDの航続距離は、20インチタイヤ装着の上級グレードで627km。停止状態から時速100kmまでの加速性能は4.4秒でソルテラより0.5秒速い。
スバルの真骨頂、四輪制御技術を極める
では、トレイルシーカー(AWD) で走り出そう。最初に感じたのは、ソフトなフィーリングだ。ハンドリングもソフト、乗り心地もソフトである。決してフワついているのではない。クルマ全体の上下と左右への揺れが少ないのだが、ソフトに感じるのだ。
サスペンションのセッティングとして、路面の細かい凹凸に対する減衰力を最適化したことで荒れた路面での追従性が良い。そうした粗面からの情報がシートとステアリングを介してドライバーにしっかり伝わってくる。

基本的な意匠は同じスバルのソルテラと共通となる室内。 桃田健史
これは大幅改良されたソルテラでも同じだが、ソルテラより大柄なトレイルシーカーとスバルが目指す走り味の相性が良いと感じる。ステアリングの少ない操舵角度で、クルマ全体の動きの予見性がつかみやすい。スバルの内燃機関車での真骨頂である、水平対向エンジン+シンメトリカルAWDを彷彿させる動きだ。
ドライブモードはエコ、ノーマル、パワーの3段階。
パワーモードにすると、加速特性がクイックに、回生減速がアクティブで俊敏に、そして加速の伸びについては『動的G制御』を強化した。スバルが言う動的G制御とは、アクセル開度によって加速度変化を調整するもの。ソルテラでも採用されているが、こちらもトレイルシーカーとの相性が良い。
乗り心地はソフトながら、パワーモードだとガンガン攻めた走りも可能だ。気になる価格だが、「ソルテラより上」は当然ながら、スバルとしてはかなり戦略的な価格設定を考えているようだ。
