ミラノ・コルティナ冬季オリンピックのボランティアスタッフ

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 ミラノ・コルティナ冬季オリンピックの取材のため、本誌記者はイタリア・ミラノから電車やバスを乗り継ぎ、約6時間かけてリビーニョを訪れていた。

 フリースタイルスキー男子モーグルで堀島行真が銅メダルを獲得した2月12日、記者はリビーニョ・エアリアル&モーグルパークのプレスセンターに立ち寄ると、何やら食堂のようなものを発見。ボランティアスタッフや工事に携わる男性ら、警備員などが所狭しと席に腰かけ料理を口に運ぶ。

 ミラノのプレスセンターでは、基本的にお茶類の用意しかなく、軽食などは置かれていない。こちらのリビーニョでは……そう思い、入口にいるスタッフに声をかけたが、「プレス関係者は使えないよ。なぜなら、食券が支給されていないからね。ここは、主にボランティアスタッフ用の食堂なんだ。入ってコーヒーを飲む分には問題ないよ」とのこと。実際に食事をしているボランティアスタッフに話しかけると、アジア系の女性が取材に答えてくれた。

「仕事がある日は食券をもらって、ここで食事ができます。メニューは、主食を2種類選べて(両方選ぶことも可能)、野菜、デザート、果物(バナナ、リンゴ、オレンジ)、飲み物(コーラ、ファンタ、スプライト、水、エナジードリンク)がセットです。個人的には、どれもとても美味しくて、特にパスタが絶品です。

 ただ、デザートはアジア人にとっては少し甘すぎるかも。私が手を付けていないと、イタリア人の同僚から『食べないならちょうだい』と言われます(笑)。量については、多めや少なめをスタッフにお願いできるので、基本的に食べ物を無駄にすることはありませんよ」

 そして、食事の写真を見せてもらうと、確かに主食、野菜、デザート、果物と栄養バランスの取れた食事のようだ。“絶品料理”だと太鼓判を押すだけはある。ちなみに主食は、トマトやブロッコリーやジャガイモやチーズなどを煮たもの、ミートソースのマカロニパスタ、キノコが添えられたハンバーグなどで見た目も美味しそう。現地でピザばかり食べている記者にとっては、“ご馳走”にみえる。

 丁寧に実情を話してくれたスタッフに感謝を伝えた後、なぜボランティアをしているのかも聞いてみた。

「冬季競技ではないですが、もともと体育系の学生でスポーツが大好きなんです。だから、オリンピックに携われる機会はチャンスだなと思いました。選手らと近い距離で接することができるのは、ワクワクします。もちろん、人の役に立つようなことをするのも好きですよ。観客にトイレの場所を案内したり、通行人にバス停の位置を教えたり、どれも小さなことですけどね。

 ちなみに、誕生日が近いので、この経験は自分への誕生日プレゼントだと思っています。あとは、ボランティアに支給される服がSALOMONで、結構いいブランドなのも嬉しいポイントです(笑)」

 ただ、言語の壁などにぶつかることも多々あるという。

ボランティアはイタリア在住の人もいれば、ベルギー、スペイン、中国からわざわざ来た人も。私のオフィスはイタリア人ばかりで、イタリア語のリスニング力がすごく鍛えられました。ちなみに、話すときは英語なので、英語のスピーキング力も上達しましたよ。言語が違うのでコミュニケーションが難しいこともありますが、みんな本当に優しくて、一緒にいて楽しいです。友達もたくさんできました」

 全世界から約1万8000人のボランティアが参加している今大会は、なかなか表には見えない彼らの努力によって支えられている。その活躍はまさに“金メダル級”だろう。