W杯までに知っておきたいサッカー用語。今回は『ピン留め』を解説。(C)Getty Images

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 聞いたことはある、何となく意味も分かる。でも、詳しくは知らない。そんなサッカー用語を解説。今回は「ピン留め」だ。

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 英語では「pinning=固定」と表現される戦術的なワードで、「ピン止め」としても通用している。現場レベルで使われていたところから、最近はマニアックなサッカーファンの間でも、かなり普及しているように感じられる。

 広くは攻撃側の選手が相手ディフェンダーのすぐそばにポジションを取り、そのディフェンダーをその場に留めさせることによって、周りの選手にプレースペースを確保させたり、ボールホルダーをフリー化したりする効果が期待される。
 
 具体的に相手ディフェンダーの手前に立つのか、内側に立つのかなどは特に限定されておらず、どう「ピン留め」するかは個人戦術に関わるところもある。

 戦術的な役割としては、オフ・ザ・ボール(ボールを持っていない)の状態にある選手が、一人ないし複数のディフェンダーの意識をそこに引き付けることで、その場から動いてボールサイドにプレッシャーをかけたり、インサイドのスペースを埋めたりといったことをさせなければ、効果を発揮していると言える。

 相手がマンツーマン気味に守っているのか、コンパクトなゾーンのブロックを築いているのかなどで、その効果に多少の違いは出てくる。

 たとえば右サイドからビルドアップしている時に、左ウイングの選手がワイドにポジションを取れば、相手の右サイドバックは中に絞りにくくなり、センターバックが中にポジションを取れば、中央とサイドの間に「ハーフスペース」が生じてしまう。

 それを嫌がってセンターバックも外側に開けば、今度は中央が甘くなったり、全体のボールサイドへのスライドが揃わないといった現象が起きやすくなる。

 この「ピン留め」の役割を担うアタッカーはボールに関わりにくいが、その次のアクションでゴール前に走り込んだり、二次攻撃に関わったりといった一連の流れがセットで想定されていることが多い。

 攻撃においてアタッカーは運動量を活かして、動き回ることが高く評価されがちだが、守備戦術が発達した現代サッカーでは、メインテイン・ポジション(Maintain Position)とも呼ばれる、有効なポジションに立ち止まることも大事になってくる。その代表例が「ピン留め」と言える。

文●河治良幸

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