神奈川県知事・黒岩祐治

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「都市もあれば、山も海もある。古都・鎌倉もあれば、温泉地・箱根や米軍基地まである」─。神奈川県の特色をこう語るのは同県知事の黒岩祐治氏。4期目の折り返し地点を迎える中、健康と病気の間にある「未病」の概念を広げてヘルスケアや産業の創出に注力している。少子高齢化は全国共通の課題。その中で人口約920万人を抱える同県はどう対応し、経済活性化や地方創生につなげていくのか。直撃した。


 「未病」の概念を海外にも展開

 ─ 黒岩知事は4期目の任期の折り返しを迎えていますが、今の心境から聞かせてください。

 黒岩 こんなに長く務めるとは思っていませんでしたが、この15年間、知事という役職を担ってきたことの重みを実感します。特に国ではできないことができていると。その典型例が「未病」という言葉に代表される新たな健康概念の普及です。

 ─ 発病には至らないものの、健康な状態から離れつつある状態を指す言葉ですね。

 黒岩 ええ。健康概念の中で健康か病気かという二項対立ではなく、健康と病気の間は連続的につながっており、グラデーションの状態が未病であると。

 病気になってから治すのではなく、グラデーションのどこにいても、少しでも健康な状態に持っていこうとすることが大事だというのが未病のコンセプトです。
 
 この概念は海外にも広げているのですが、海外の方が理解が早い感じがします。WHO(世界保健機関)や米スタンフォード大学医学部とも連携協力の覚書等を結びました。また、ベトナム保健省やシンガポール政府機関等とも覚書を締結し、未病に関する連携や交流を深めています。

 ─ そもそも、なぜ未病に着目したのですか。

 黒岩 日本は超高齢社会が進んでおり、世界の最先進国です。最も早く超高齢社会が到来しました。しかし、2050年になると、北半球のほとんどの国々が同じような状況になるのです。

 その課題先進国である日本の中でも、特に本県は高齢化の進み方が早い。その本県で乗り越えるモデルを示すことができれば、世界にとっても一つのモデルになるという我々の訴えです。

 実際に本県では自分が「健康」と「病気」のグラデーションのどこにいるのかがアプリで分かる「未病指標(ME-BYO INDEX)」を開発し、広げています。

 ─ まちづくりにも絡むと思いますが、「いのち輝くマグネット神奈川」という大方針には未病も含まれるのですか。