神奈川県知事・黒岩祐治【2026 日本の成長を図る】〈都市も観光地もある神奈川の今後〉
黒岩 はい。この大方針の中の「いのち輝く」ためには何が大事か。医療体制が充実することも大事ですが、それだけでは足りません。他にも安全で安心な農業があって、初めて安全で安心な食が提供されますし、綺麗な空気やクリーンなエネルギーがあることも大事です。
こういったエネルギーや、まちづくり、教育など、ありとあらゆるものがうまくつながっていないと、いのちは輝かないわけです。ところが、これらの課題は国では所管省庁が異なり、どうしても縦割行政の狭間ができてきます。それらをうまく県庁の中で全部つないでいこうというのが大方針の骨子です。
ですから、未病対策も、そのうちの一つです。例えば、医療と環境を一緒に考える、医療と食の問題を一緒に考えると。これらは全部つながっているのです。バラバラではありません。
知事選への出馬は天の声
─ 県としてインテグレートしていくイメージですね。
黒岩 本県の県庁職員がまさに、そういった感覚を持ってくれています。それぞれの部局で完結させるのではなく、全部をクロスさせるという形です。いろいろなセクションで一つのテーマにおいてクロスさせて課題を解決していくというプロセスをずっと続けています。
─ 15年間の知事生活では、職員や関係者の協力が得られてきたということですね。
黒岩 その通りです。それがなければ決してできなかったと思います。そもそも私が2011年の知事選挙に出馬することになったのは、選挙の3週間前です。突然、声をかけられて出馬することになりました。最初は断っていたのですが、その間に東日本大震災が発生した。
このような天災が起こったときに声をかけられたのは天の声だと思い、出馬を決意しました。県民約900万人(当時)の命と生活を預かる立場になって欲しいということですからね。ただ、当時の私は学生時代の6年間、横浜市に住んでいたことがあるだけの東京都民で、神奈川県の現状は何も知りません。
当選して県庁にポツンとやって来ましたが、県議会の議員も神奈川県の経済人も誰も知らない。政策実行の指示を出しても職員は、できない理由ばかりを並べる。
「それを実現するために課題を解決して欲しい」と投げ返したりしていました。これを繰り返し続けてきましたが、今では、できない理由など言いません。そこは大きく意識も変わったと感じているところです。
