神奈川県知事・黒岩祐治【2026 日本の成長を図る】〈都市も観光地もある神奈川の今後〉
─ 手応えがあると。
黒岩 ええ。全部の政策が「いのち輝く」ことにつながっていると実感できますし、もう一つのキーワードである「マグネット」という磁石のように引きつける力が出てきたとも感じます。
例えば「行ってみたい」「住んでみたい」と思っていただけるような魅力溢れる地域になってきています。「地域ブランド調査2025」でも都道府県の魅力度等調査結果で4位になりました。
─ 県内には横浜市など政令指定都市が3つありますね。
黒岩 よく大変ですねと言われるのですが、あまり大変さを感じたことはありません。うまく連携していますからね。海外出張したときには、私が宣伝マンになって、横浜市や川崎市など各地域をアピールしています。それによって企業誘致が進んだケースもあります。
ヘルスケアや宇宙産業の振興
─ 一方で経済情勢は予断を許さない状況です。神奈川県では日産自動車の車両生産終了などが取り沙汰されています。経済活性化をどう進めますか。
黒岩 課題を解決するプロセスによって経済のエンジンを回していくというのが基本姿勢ですね。先ほどの未病に関するヘルスケアで言えば、未病改善のアプローチと最先端のテクノロジーを合わせる「ヘルスケア・ニューフロンティア」という政策を推進しているところです。
具体的に「未病産業研究会」という研究会を設立したところ、1200社以上が参加しています。それだけ新しい課題を乗り越えるために産業界も動いているということです。
私が未病という概念を発信したところ、その未病改善に何が大事かという原則を提示してくれたのが元厚生労働事務次官の辻哲夫さんでした。「食」「運動」「社会参加」の3つが大事であると。
─ 高齢者が虚弱化するフレイル問題ですね。
黒岩 そうです。高齢者にとって一番良くないのは孤立化です。孤立化すると外出しなくなり、一気に体が弱ってしまってフレイルの状態になってしまいます。そうならないようにすることが大事だということで研究会などを立ち上げ、企業にも数多く参加してもらっています。
この事例のように、日産自動車の問題でも大きな課題はありますが、これを我々がどうチャンスに変えていくかを考えます。
─ その中で注目している産業はありますか。
黒岩 宇宙産業です。私が知事になってすぐに「さがみロボット産業特区」の指定を勝ち取りました。県央という県の中央部分をロボットの産業の拠点にしたいと考えたからです。このロボットの先にあるのが宇宙です。相模原にはJAXA(宇宙航空研究開発機構)もあります。
