G大阪戦ではFW徳田誉がPKを阻まれ、試合後に涙する姿も。その経験も今後の力に変えられるか注目だ。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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[J1第33節]鹿島 0−0 G大阪/10月5日/メルカリスタジアム

 鹿島がG大阪をホームに迎えた一戦は互いにチャンスを作りながら0−0のスコアレスドローとなった。

 前日に3連覇を目指す神戸が浦和に敗れ、躍進する京都も川崎と引き分けたなか、さらに2位以下との差を広げたい首位の鹿島だったが、勝点1を加える形で、2位の京都とは勝点5差でラスト5戦へ臨むことになった。

 この日、4−2−3−1が基本のG大阪はACL2を戦うなかでの疲労を考慮しつつ、“対鹿島”を意識して3−4−2−1を採用。鹿島は最終盤にFW徳田誉がPKを阻まれるシーンもあり、5バック気味で守るG大阪の守備を最後まで崩しきれなかった。

「これだけ大勢のサポーターに集まっていただいたなかで、勝ち切れなかった申し訳なさがあります。前半は苦しい時間を過ごしましたが、後半押し返してチャンスを作って、自分が勝たせなくてはいけない、自分が仕事をしなくてはいけないゲームだったと思います」

 そう振り返ったのは鹿島の鬼木達監督だ。

 貴重な勝点1にも映るが、常に一戦必勝の想いで臨む指揮官にとっては悔いの残るゲームと言えるのだろう。

 次節(10月17日)は4位の神戸、その翌節(10月25日)は2位の京都とそれぞれアウェーでの直接対決を控えるだけに、勝っておきたかった試合だったとも評せそうだ。

 もっとも残り5戦で2位と勝点5差の状況は、大きなメリットでもある。鬼木監督も「勝てなかったことが一番悔しいですが、勝点を積み上げて首位で戦えるので、自分たちで崩れることなく臨んでいける」と語っていた。

 そのなかで悲願の覇権奪回へ、大事になりそうなのはふたつのポイントか。

 まずはこの日のG大阪もそうであったが、対策を練られ用意されるであろう“鹿島包囲網”を超えていけるかだ。

 その点ではより柔軟性が求められる。G大阪のシステム変更は「想定外だった」と語る右SB濃野公人は力説した。

「想定外の形に後手を踏んでしまったかもしれませんが、今年はJリーグで(最終ラインで)5枚を使っているチームは多いですし、前プレ(前からのプレス)のやり方は何回もやってきたなかで、やり方云々ではないところで後手を踏んでいたところもあったので、ちょっと暑かったり、久しぶりの昼間のゲームで走れない選手がいるようでは勝てないと思いますし、攻撃が優れているから守備をやらなくても良いということはまったくないと思うので、もっともっとそういうところの目線を合わせる必要はあると感じました。

 5枚で構えた相手にこっちも構えたら、掴みやすいと思いますし、もっと流動的にやって良いと思います。鬼木さんが形として用意してくれていますが、ピッチのなかで感じたスペースが開いたから走り込むとか、リスク管理だけでなく、奇想天外な動きが増えていくと相手の陣形が崩れたんじゃないかと思います。もっと(良い意味で)遊んでも良いのかなと。

 練習でも(鬼木監督は)僕らが考えたプレーに対し、『何やっているの』と言う方じゃない。選手が示して、監督が『それもあるね』と許容する方だと思うので、鬼木さんの教科書どりではなく、自分たちが分かりやすいサッカーは相手も分かりやすいので、そこから逸脱したものをもっと増やせればと思います」

 相手の出方をしっかり見極め、それを逆手に取るくらいの臨機応変さも最終盤では選手に求められるのだろう。
 
 また、今後は追われる立場として大きなプレッシャーも感じるはず。過去に優勝経験のない選手たちはなおさらだろう。

 それでも大卒2年目の濃野はここまでも頼もしい言葉を残す。

「今日試合(G大阪戦)をやっていてワクワクしましたし、0−0の展開から1−0にできたら、ヒーローになると考えていました。そこのワクワクは感じていましたし、多くの選手がそれを感じられたら良いサッカーになると思います。いろんなプレッシャー、重圧がかかるのはもちろんあるはずですが、それを喜び、楽しさに変えていくのが大事だと思います。そういう気持ちを持ってやっていきたいです」