双子スプリンターが3年連続リレー出場 顔はそっくりだけど…抜きつ抜かれつで歩んだ2人だけの陸上物語――帯広南商・槙杏奈&涼奈
陸上・インターハイ 女子4×100メートルリレー/帯広南商・槙杏奈&涼奈(3年)
ホットスタッフフィールド広島で7月25日から5日間行われた陸上インターハイ。熱戦を取材した「THE ANSWER」は文武両道で部活に励む選手や、困難な環境の中で競技を続けてきた選手などさまざまなストーリーを持つ学生を取り上げる。今回は女子4×100メートルリレー予選に双子で出場した帯広南商の槙杏奈と涼奈(ともに3年)。2走・杏奈、4走・涼奈の走順で3年連続インターハイに出場した。良きライバルとして陸上競技を続けてきた互いの関係性、双子ならではのエピソードも教えてくれた。(取材・文=THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂)
互いに高め合った9年間――。今年も2人一緒に駆け抜けた。
3度目のインターハイ。1走・米田紗羽(3年)からバトンを受けた2走・杏奈はバックストレートを力強く駆け抜ける。3走・小山紗世(3年)から4走・涼奈にバトンが渡った時には、最後尾から前を追う展開に。それでも懸命に腕を振り、仲間の繋いだバトンを手に49秒25でゴールラインを駆け抜けた。
目標の47秒台には届かず組8着で敗退となったが、杏奈は「やれることはやれたと思うので、悔いなく楽しめた」と胸を張り、涼奈も「最後のインターハイだったので、まずは楽しもうと思っていた。笑顔で終われたし、楽しかった」と瓜二つの笑顔を並べた。
北海道出身の双子姉妹。小学3年の夏、2人一緒に陸上競技を始め、9年間走り続けてきた。学業と部活の両面を考えて、自然と一緒に進学した帯広南商。1年時は涼奈が、2年時には杏奈がそれぞれ100メートルにも出場した。そして4×100メートルリレーでは、3年連続で2人揃って全国の舞台を駆け抜けた。
双子であっても成長のタイミングはそれぞれ。小学生時代の実力は杏奈の方が上だった。涼奈は「悔しくてめっちゃ泣いた」と振り返る。それが中学になると涼奈が逆転。抜きつ抜かれつを繰り返し「高校はどっちもどっち」と2人で笑い合う。
2人だけのライバル関係「抜いたらモチベーションに、抜かされたら頑張らないと」
大会前は2人で自主練習を実施。午前6時前に起床し、家の近くで縄跳びやラダートレーニングを行った。「起きてからそのまま着替えて、何も気にせずに(笑)」と涼奈。気心の知れた2人だからこそ、わずかな時間もしっかりと活用。高校最後の大舞台に全力を捧げた。
「常にライバルでいられるというか……。(杏奈を)抜いた時はちょっとしたモチベーションになるし、抜かされたら『頑張らないと』と高め合える存在。進学することで離れ離れになる友達もいるけど、小学校から高校までずっと一緒だった。競い合ってやってきて良かったと思う」(涼奈)
おっとりしていて丁寧に言葉を紡ぐ姉・杏奈と、元気いっぱいでハキハキと話す妹・涼奈。一卵性で「大体の人に(違いが)分からないと言われる」と言うほど顔も似ている。双子らしいエピソードを尋ねると、中学の美術でスケッチする際には数ある種類の中から同じピンクの花を選んだこと、1学期末のテストでは簿記と体育で同じ間違いをしたこと、別々のタイミングで同じ友人に同じ話をしてしまうこと……など盛り沢山。「なんだろう」「何がいいかな」と考えながら一生懸命に話す姿もそっくりだった。
現時点では同じ大学に進学し、2人揃って陸上競技も続ける予定。杏奈は「3年連続リレーでインターハイに行けたことは貴重な経験をさせてもらえた。緊張する場でしっかりと走り切ることができたので、大学でも自信を持って全力でやり切りたい」と意気込み、涼奈も「悔しい部分も沢山あるけど、トータルでみたら良い3年間だった。支えてくれる仲間や親、先生がいるから成り立っていると思うので、感謝を忘れずにやっていきたい」と先を見据えた。
まだまだ続く、双子スプリンターの物語。2人だからもっと強くなれる。
(THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe)

