投資で成功確率を高めるには何をすればいいか。歯科医師で経営コンサルタントの多保学さんは「株価が暴落した時は株のバーゲンセール状態だ。そのために、平常時はキャッシュポジションを厚く持っておくといい」という――。

※本稿は、多保学『1億円かけて学んだ成功する人がやっていること』(日本実業出版社)の一部を再編集したものです。

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■明らかに株価が安いタイミングは大体わかる

株式市場では、10年に一度くらいの間隔で「○○ショック」と呼ばれる暴落が起こります。直近ではコロナショック、その前にはリーマンショックがありました。

世の中のお金持ちたちは、このような株価が暴落した時こそ株を買います。なぜなら、株のバーゲンセール状態だからです。そのために、平常時はキャッシュポジション(手元資金)を厚めにしておきます。

株価が暴落する時は、機関投資家がポートフォリオのリバランスのために株を売ります。その一時的な株価の暴落に焦って個人投資家も売るので、さらに株価は下がります。

また株式投資には信用取引というものがあります。この信用取引を行っていた個人投資家に追証(おいしょう)(追加保証金)の差し入れ義務が発生しますので、さらに雪だるま式に株価は下がります。

「頭と尻尾はくれてやれ」という有名な相場の格言があります。

投資は最安値(底)で買い、最高値(天井)で売るのが理想ですが、現実にはほぼ不可能です。そのため、天井(頭)や底値(尻尾)で取引しようと思わず、近いところで手を打て、という意味です。

普段から相場を見ていれば、明らかに株価が安いタイミングは大体わかるものです。

この格言にならい、株価が大暴落したタイミングで買い増すのです。普段の相場から大きく下げた価格で購入できますから、○○ショックが落ち着いて株価が戻ってくると、大きな利益が実現します。

NISAで市場が過熱気味の時は要注意

ポイントは、皆がやっていることと逆の行動をすることです。そうでなければ大きく儲けることはできません。皆がピンチと言っている時こそ大チャンスなのです。

ちなみに、私の場合は有価証券は手堅いものしか買いません。個別株はほとんど買わず、ポートフォリオの8割は投資信託です。○○ショック時でも投資信託を買い増します。投資信託は、「eMAXIS Slim 全世界株式」や「eMAXIS Slim 米国株式」などのインデックスファンドがメインです。

ほとんどの場合、このような投資信託の場合、価額は時間をかけて戻っていきます。

損をする可能性のある金融商品の場合は、初めから損をしてもいいという前提で購入します。これは、どちらかというと投資ではなく投機として考えます。

そのため、毎日相場の価格を見ながら相場感を養うことは重要です。

逆に、昨今のようにNISA(少額投資非課税制度)の新制度が始まり、市場がやや過熱気味な時には、あまり買いません。通常時は長期的にドルコスト平均法で愚直にインデックスファンドを積み立てているだけです。

私の場合、投資信託などは、基本的に長期保有が大前提ですので相場の乱高下はあまり気にしていません。しかし、ポイントは皆がろうばい売りするようなタイミング、つまり過度に株価に動きがある時に、買い増せる勇気があるかどうかです。

今日から行動
多くの人と逆の動きをする

■なぜユニクロは世界中に展開できているかと考える

まだ投資を経験していない人には、収入の10%を使って株式投資をすることをおすすめします。身銭を切って投資すると、世の中の動きに関心を持てるようになります。

株式投資をするには、投資先を選ばなければいけません。

そのためには、今後成長が期待できるのは、どのような業界や企業なのかを知る必要があり、企業を取り巻く社会や経済の状況も含めていろいろと調べるようになります。また、どういう企業が、どのようなビジネスモデルで利益を上げているのかを考えるようになります。

例えば、ユニクロ(ファーストリテイリング)に対して、単にリーズナブルな洋服を売っている店ではなく、製品をどこの工場でつくって、どのように利益を上げているのか、なぜ世界中に展開できているのか、といったことを考えるようになります。この考えることや行動がとても重要なのです。

写真=iStock.com/tang90246
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雑誌の記事や、投資系インフルエンサーが「この株がいい」と推奨したものを買うのではなく、どんな会社が今後成長しそうか、自分の頭で考えられるようになると、経済が面白くなってきますし、世界の見え方も変わってきます。

IR(Investor Relations)という、企業が投資家に対して情報提供するものを読み解きたくなるかもしれません。IRを読み解くには、簿記や財務の知識が必要になります。これ自体も自分にとって勉強になるはずです。

■成功者がイールドカーブ・コントロール撤廃で買った銘柄

すると、「世の中にはこんなニーズがあるのに、それに応えるビジネスってないよね」とか、「このビジネスとこのビジネスを足すと、1+1が2ではなく、10になるかもしれない」など、ビジネスのアイデアが生まれてくるようになります。

世の中の成功者は、ほぼ例外なく株式や債券投資をしています。彼らが集まる会に参加すると、必ず株や債券取引に関する話題が交わされます。

多保学『1億円かけて学んだ成功する人がやっていること』(日本実業出版社)

例えば、2024年3月に日本銀行がイールドカーブ・コントロール(YCC)という長短金利操作政策を撤廃しました。日銀がYCCを撤廃する動きは1年ほど前から出ていました。YCCとは、中央銀行が長短金利をコントロールする金融政策のことです。

低金利環境を維持する目的で導入したYCCを撤廃すれば、金利が上昇する可能性があり、銀行の収益が上がることが推測できます。

そこで、私の知り合いの間では、銀行の株価が動き始める前に銀行株を買い、その後株価が上がってきたタイミングで売却する動きが見られました。

株式や債券投資を行うようになると、こうした動きもいち早くつかめるようになります。

今日から行動
収入の10%を投資する

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多保 学(たぼ・まなぶ)
歯科医師、経営コンサルタント
医療法人社団幸誠会 たぼ歯科医院 理事長、日本歯周病学会指導医、歯科博士。日本歯科大学附属病院 総合診療科 臨床准教授。日本歯科大学卒業後に米国ロマリンダ大学に留学。2015年、さいたま市に「たぼ歯科医院」を開業。医療技術だけでなく、成功者の思考法を積み重ね行動した結果、医院は年商12億を達成。現在は複数の株式会社を経営し、人々の健康を守る使命のもと、予防歯科の重要性を広める活動や、コンサルティング業を通して経営に悩む歯科医師の支援に尽力している。著書は『0歳から100歳までの これからの「歯の教科書」』(イースト・プレス)、他に専門書の共著書は20冊以上。
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(歯科医師、経営コンサルタント 多保 学)