FC東京を経ていよいよ海外チャレンジ。松木は飛躍できるか。写真:サッカーダイジェスト

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 松木玖生の海外移籍が決まった。噂されていたとおり、イングランド・プレミアリーグのサウサンプトンに完全移籍したのちトルコ1部リーグのギョズテペSKにレンタルされる。英国の就労ビザ取得の関係で、欧州挑戦1年目の舞台はトルコになったのだ。

 FC東京での2年半を経て、ヨーロッパに新天地を求めた松木。青森山田高などでも注目されていた逸材がいよいよという感じだが、果たしてこの舞台で力を発揮できるのか。

 まず振り返っておきたいのが、FC東京でのプレーぶりだ。高卒ルーキーの2022年シーズンはアルベル監督の下で主に4-3-3システムのインサイドハーフを任され、J1リーグの31試合に出場。走行距離がチーム内1位というデータが物語るとおり、ピッチの広範囲をカバーし、運動量だけでなく身体的な強さも見せつけた。

 ただ、2得点・3アシストとゴールに絡む回数は多くなく、スピードで振り切られる場面も目に付くなど課題はあった。

 
 プロ2年目の2023年シーズンはアルベル監督の下でインサイドハーフ、ピーター・クラモフスキー監督の下でボランチを担当。U-20ワールドカップに参戦するなど代表活動もありJ1リーグは22試合の出場で、1得点・3アシストと高卒ルーキー当時よりゴール数を減らした。

 ボランチを担ったシーズン後半は守備的に振る舞い攻撃参加の回数が減ったからだろう。結果的に、ゴールやアシストを思うように伸ばせなかった。

 そして今季はクラモフスキー監督の下でボランチやトップ下を担う。7月13日のアルビレックス新潟戦までリーグ戦で2得点・4アシストという成績を残している。

 攻撃や守備でスペシャルな部分を出しているわけではなく、総合的に活躍したという印象だが、ネガティブな見方をすれば「これといった強みがない」となる。

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 確かに松木はフィジカルに優れ、スタミナもある。ただ、それもあくまでJリーグでの話だ。ヨーロッパ基準で優れているかは現時点で分からない。

 パワフルでゴリゴリとプレーするMFはヨーロッパにたくさんいるし、その中に松木が埋もれなければいいとの懸念はある。欧州の舞台で飛躍を遂げるためには、ひとつでも多く強みをアピールする必要がある。遠藤航がブンデスリーガ時代に“デュエル王”と呼ばれていたように。

 松木曰く「Jリーグで培ったものは人間力と落ち着き」。内面的な要素はもちろん大事だが、それらと同じように目に見える技術や結果も重要になる。
 
 松木が攻撃的なポジションで勝負するなら、何よりゴールとアシストの数が鍵。新潟戦の囲み取材で「課題」を訊かれた松木も次のように答えていた。

「まだ海外のチームでやっていないので分かりませんが、スプリントの質や決定力は求められます」

 FC東京での2年半を見て判断すると、決して松木は守備の選手ではない。攻撃に絡んでこそのタレントに映るので、本人が言うように何よりスプリント力と決定力を高めたい。いずれにしても、何かスペシャルな部分を示さないとヨーロッパでは生き残れないだろう

文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)