「食パンの消費が最も多い市」を即答できるか…頭のいい人がやっている「膨大なExcel表を一瞬で理解する」方法
※本稿は、橋本大也『頭がいい人のChatGPT&Copilotの使い方』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

■データ分析からWebページデザインまで一気通貫
本稿ではデータをPythonを使って分析して、その結果をインタラクティブなWebページとしてデザインするまでをChatGPTで一気通貫に行ったケースを紹介します。1つのツールが幅広い作業に対応できることに驚かされます。
データとしては独立行政法人統計センターにあるSSDSE(教育用標準データセット)を使います。これは統計リテラシーを学ぶために用意されたデータセットですが、中身は興味深いリアルなデータです。分析しやすくきれいに整えられており、ChatGPTのデータ分析の練習に向いています。
まず、SSDSEの学習用データ「都道府県庁所在市別家計消費データ」をダウンロードします。

このデータは都道府県の県庁所在地の家計消費データを集計しています。

■ChatGPTはExcelデータがやや苦手
Excelを開くとわかりますが、200項目以上の巨大な表です。

これをそのままChatGPTにアップロードしてもある程度は処理してもらえるのですが、分析の精度を上げるために不必要な項目は削除してからアップするのがコツです。
たとえばSSDSEコード、地域コードなど、今後のデータ分析に必要なさそうな列は削除してしまいます。
レイアウトのための列やコメントがある場合も削除したほうがよいです。そしてChatGPTは複雑なExcelファイルよりも、シンプルな形式のファイルのほうが、処理の精度が高くなります。
ここではExcelから必要項目だけをCSVファイルとして渡しました。
次に、
全項目においてトップの自治体名を表にしてください
とリクエストします。すると、「了解しました」と言って、結果を表示します。表示された表を見ると、米は静岡市、食パンは神戸市、生うどん・そばは高松市といったように、それぞれの項目においてトップの自治体名が表示されていることがわかります。

■整理したデータをCSV形式で保存できる
ここで私は、
このファイルをCSVとして保存してください
とリクエストして、「各消費項目のトップ自治体一覧」のファイルをダウンロードし、内容を確認してみました。

たとえば、食糧(合計)の消費金額が最も高いのは東京都の区部、01 穀類(穀類全体)の消費が多いのは京都市、食パンの消費が最も多いのは兵庫県神戸市というように、消費金額が多い県庁所在地の自治体が抽出されました。
このデータには合計、全体のカテゴリーレベルの情報と、パンやうどんのような個別レベルの情報があることがわかります。
■「このCSVデータを美しいHTMLの表にしてください」
次にこのデータをWebページに変換してみます。
このCSVデータを美しいHTMLの表にしてください
とリクエストしました。

ChatGPTはPythonのコードが書けるだけでなく、Webページを作るHTMLやCSS、JavaScriptの生成も得意です。

そうすると、「各消費項目のトップ自治体一覧」のHTMLファイルをダウンロードできるようになります。ただ、最初に出来上がってきたのは、ラベル名をグレーにしているくらいのものでした。「消費項目」の幅も広過ぎました。それから、細かいことですが、ところどころ「01 穀類」とか「02 魚介類」「04 乳卵類」といったカテゴリー名が入っています。そこで、
「消費項目」の幅は狭くしてください
とリクエストしました。すると図表5が作成されました。

■イメージと違っていたら「違います」と再指示
続けて、「01 穀類」「02 魚介類」「04 乳卵類」といったカテゴリーの例を示して、以下の項目の行はカテゴリーを意味していますと伝え、最初はカテゴリー名のみを表示し、
ユーザーがクリックしたらカテゴリーの情報を表示するようにしてください
とリクエストしました。
すると、カテゴリーを表示して、それをクリックするとそのカテゴリーに属する項目を表示するという意味を理解できなかったようで、図表6のようなシンプルな表がアウトプットされました。

よりイメージに近いアウトプットを得られるよう、次のように指示すると、
違います。カテゴリー「01 穀類」をクリックしたら「02 魚介類」の直前の行まで表示してほしいのです。それ以降のカテゴリーも同様の処理を行ってください。

すると、今度は図表7のような表を出してくれました。

想定していたアウトプットにかなり近いものになりました。
さらにデザインを変更してみましょう。
■「Netflix風に」で求めるデザインを伝える
Netflixふうの洗練されたデザインにしてください

ChatGPTが作ってくれたのは、ダークグレーの背景に赤というデザインです。

私はもっと落ち着いたデザインがいいと思ったので、以下のようにリクエストし、かなりイメージに近い表を手に入れることができました。
スターバックスふうの洗練されたデザインにして、インタラクティブな機能を追加して

すると、今度はこんなデザインが上がってきました。

ただ、少し気になった部分もあったので次のように入力しました。
横幅が広すぎる

そうして、最後に出来上がったものがこちらです。

クリックすると折りたたみも表示されました。

Javascriptのインタラクティブな要素や、カラフルなデザインが伝わりにくいかもしれませんので、こちらのリンクから確認してみてください。
このように、ChatGPTを使えばデータの分析からインタラクティブなWebページのデザインまで手軽に作れます。ぜひ活用してみてください。
----------
橋本 大也(はしもと・だいや)
デジタルハリウッド大学教授兼メディアライブラリー館長
1970年生まれ。ITビジネスのコンサルティング業を経て、ビッグデータ分析と人工知能のベンチャー「データセクション」を創業。同社を上場させ、現職。2024年1月デジタルハリウッドで生成AI教育プログラムを開発するブンシン合同会社CEOに就任し、生成AIの活用を教える「プロンプト・エンジニアリング・マスターコース」を創設。著書に『データサイエンティスト データ分析で会社を動かす知的仕事人』(SBクリエイティブ)ほか多数。
----------
(デジタルハリウッド大学教授兼メディアライブラリー館長 橋本 大也)
